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◆ 【国難を問う】 (5) 偏向TV 「ウソ=2時間33分46秒」 VS 「真実=6分1秒」

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ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA ~ Don't Bring Me Down  (1972)


国難を問う)】
戦後メディア史の汚点
不都合な真実に蓋
偏向報道知る権利阻害

2017.10.16
(http://www.sankei.com/politics/news/171016/plt1710160003-n1.html )




すぐ目の前にある北朝鮮危機よりも、
日本を衰亡に導く少子高齢化問題よりも、
民間の学校法人をめぐる
言いがかりのような「疑惑」が衆院選の焦点なのか。

新聞やテレビなどマスメディアは、本当に事実を伝えているのか。

自社の論調や好悪に合わせて極めて恣意的に編集し、
大切なことでも「不都合な真実」は無視してはいないか。


メディアは「フェイク(偽物)ニュース」を多発しているのではないか-。


多くの国民がそう実感し始めている。

今や情報の選別・伝達が報道機関の「特権」だった時代は過ぎ去り、
インターネットなどで記事や番組の真贋と実態がただちに検証され、
暴かれる時代が到来した。


にもかかわらず、
一部の新聞もテレビも読者・視聴者を侮り続け、印象を操作して
一定方向に誘導しようと努めている。

このままでは
マスメディアと情報の受け手の信頼関係が成り立たなくなり、
民主主義の根幹が破綻していきかねない。


筆者は9日付本紙朝刊で、
8日の日本記者クラブ主催の党首討論会での
・ 朝日新聞論説委員、坪井ゆづると
・ 毎日新聞専門編集委員、倉重篤郎の
質問姿勢を取り上げた。

どちらも、加計学園の獣医学部新設をめぐるやりとりである。


おさらいすると
首相(自民党総裁)の安倍晋三が、7月10日の国会閉会中審査での
前愛媛県知事、加戸守行の証言
(「ゆがめられた行政が正された」など)について
「朝日は次の日は全く報道していない」と指摘したのに対し、
坪井は「しています」と即答した。


さらに、安倍が
「本当に胸を張って(報道を)しているということができますか」
と問うと「はい、できます」と明言した。


実際は、11日付朝日朝刊は
加戸の証言を
一般記事で一行も取り上げていない。

審査の詳報の中でわずか20行触れただけだった。


朝日は、
加戸とは逆に「(首相官邸サイドに)行政がゆがめられた」と主張する
前文部科学事務次官、前川喜平の言葉に関しては
一般記事のみならず
社説やコラムでも洪水のように報じてきた。

安倍政権を批判する意見は拡声器で広める一方、
その正当性を語る声には耳をふさぐのだ。


坪井は
「朝日(の世論調査)で、
安倍さんの説明が十分でないというのは79%だ」
とも強調した。

だが、朝日やその同調メディアは
安倍や政権側の説明をきちんと伝えてきたのか。

読者・視聴者の理解や納得に資する報道は、
残念ながらほとんど見当たらない。


加計学園誘致の当事者である加戸の
過去の経緯から説き起こす証言と説明は
ろくに報じず、
規制改革ということの本質から目をそらし、
ひたすら
安倍と加計学園理事長が友人であることばかりに
焦点を当てる。


何一つ疑惑を裏付けるような「ファクト」は示せないまま、
ただ呪詛のように
「疑念は晴れない」「納得できない」「不自然さが残る」…などと、
読者の安倍への不信感が募るようにレッテル貼りを繰り返す。


こんなものは権力の監視でも何でもない。

紙面を使った個人攻撃であり、
倒閣運動に過ぎないだろう。


一方、倉重による
安倍の言葉をさえぎりながらの根拠なき決め付け質問は
尊大で感情的で、毎日の他記者からも「一番ひどい」との声が漏れた。

テレビで中継されていたため、
ネット上では倉重への批判のコメントがあふれていた。

ところが、9日付毎日朝刊をみると、
反対にこんな見出しが立っていたのである。

「気色ばむ首相 朝日批判 加計問題で応酬」


安倍が気色ばんでいたかどうかは見解が分かれるかもしれないが、
少なくとも筆者には冷静に見えた。

声を荒らげ、明らかに気色ばんでいたのは倉重のほうである。


毎日は9日付社説では、安倍について
「首相寄りの関係者の証言がもっと報じられていれば
国民の理解はもっと進んだ--
とマスコミに責任を転嫁するような反論も展開した」
と書いた。


加戸らを「首相寄り」と簡単にくくるのも乱暴なうえ、
加戸らの証言をマスコミがもっと取り上げていれば、
国民の理解に資したのは事実ではないか。

7月10日の加戸証言に関しては、
毎日も一般記事中で一行も報じておらず、
この安倍批判は開き直りである。


テレビも同様で、
一般社団法人日本平和学研究所の調査を
改めて紹介したい。

それによると、
テレビ各局は10日から11日までにこの問題を
計30番組で合わせて8時間36分23秒間、報じているが、
やはり極端に偏向していた。


安倍政権を批判する前川の発言に関しては
計2時間33分46秒間にわたり取り上げたのに対し、
前川に反論した加戸の発言は
わずか計6分1秒しか報じなかったのである。

加戸は前川と同じ旧文部省出身で、かつては前川の上司でもあった。


メディアの姿勢は、
読者・視聴者の「知る権利」の阻害要因だ
とすらいえる。


安倍は加計学園の獣医学部新設について
「影響力を行使したことはない」と述べる。

だが、仮に何らかの関与があったとして
それはそもそも問題なのか。

果たして「行政がゆがめられた」ことになるのか。


首相は行政府の長であり、
憲法72条は
「首相は行政各部を指揮監督する」と定める。

前川のまた聞きと臆測による官邸批判は、
初めから成り立たないのではないか。

それに便乗して政権たたきに狂奔したメディアは、何がしたいのか。


元朝日記者である長谷川煕は月刊『WiLL』11月号への寄稿で、
一連の加計報道と野党の追及についてこう断じている。

「戦後日本のメディア史、憲政史の大汚点として残されるべき」

そして、安倍や政権関係者に対する批判は「冤罪」だと指摘し、
「寄ってたかって侮辱された安倍政権関係者の
名誉を私は回復させたい」
と決意を示す。


朝日の外部から客観的・冷静に見た結果、そういう結論となったのだろう。

国民に事実を伝えるという本来の役割を忘れ、放棄し、
印象操作と「報道しない自由」を行使しての
安倍たたきに没頭したかのようなメディアの現状こそ、
国難そのものである。=敬称略(論説委員兼政治部編集委員 阿比留瑠比)




(snjpn.net/archives/28768 )



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