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◆ (52) 第八章 ② ゲイの権利と公民権

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SABATON ~ 城山 (※ 下段にアルバム紹介を入れました)



パトリック・J・ブキャナン著
宮崎哲弥監訳
病むアメリカ、滅びゆく西洋
2002年12月5日 成甲書房


第八章 非キリスト教化されるアメリカ

(2) ゲイの権利と公民権



闘争の火種は今後も尽きそうにない。
2000年春、タフツ大学に通う同性愛の学生が指導者評議会への参加を拒否されたとの理由で、全米大学生クリスチャン交流会の支部を訴えた。
被告側の支部リーダー曰く 「あなたはわれわれに聖書を捨てろと言うけど、それは信仰を捨てろということですよ」



裁定委員会はタフツ大学への予算撤回、同大での集会禁止を命じ、同大の除名を申し渡した。
学生の大多数は決定を称賛した。
同性愛者を差別するのはよくないと言って。
事件が公になった後、大学側は逆転勝利を収めた。
が、これは単なる前触れに過ぎなかった。



タフツ事件は信仰の衝突だった。
改革派の教理によれば、同性愛は好みの問題であって罪ではない、ゆえに同性愛者を差別する偏狭者は晒し者にして再教育せねばならない。
一方、聖書の教えでは同性愛は自然の摂理に反する不道徳な行為。
つまりこれが文化闘争の核心だ ―― どちらの教理経典が法の根幹をなすのか?
タフツでは新宗教が下剋上を果たし、クリスチャンは順応か撤退を迫られた。
革命が共存するのはヘゲモニー獲得まで。
そのあとは独裁を敷く。



しかし、正しいのはどちらの説だ?
同性愛は不道徳なのか、それとも何の問題もない一つのライフスタイルなのか。
多数の著書を持ち、英国保険医療サーヴィス精神分析医協会から叙勲を受けたチャールズ・ソーカライズ博士は、40年に渡って同性愛者の治療に従事してきたが、患者の 3分の1 は結婚し子供を持つことによりノーマルな生活に戻っていったという。
本来 「疾患」 であるものがいかにして 「ライフスタイル」 に変えられていったか、博士は次のように述べている。

 新教開発者は一般の僧侶は求めなかった。
 ターゲットは憂き世の僧侶たつ精神病者コミュニティ。
 同性愛の再定義を説くことにより、当の本人たちを手なずけた。
 1972年から翌年にかけ全米精神医学協会 (APA) 幹部を取り込んだ彼らは、手練手管のかぎりを尽くし、一夜にして同性愛者を 「治癒」、APA をして同性愛は 「疾患ではなく」 単なる 「特性」 ―― 左利きのようなもの ―― と言わしめた。



「われわれのような再定義反対派の学者もまもなく口を閉ざした」 と博士は語る。
「学内の講座はキャンセルされ、学会誌に論文も載せてもらえなくなった。
それにしても新定義の社会への浸透ぶりは凄まじかった」。
いったいどんなふうに?



テレビも映画も同性愛を合法的ライフスタイルと謳 (うた) いはじめた。
ゲイ活動団体がハリウッドに同性愛の取り上げ方を指南、大手出版社はゲイ革命に批判的な本の出版から手を引いた。
ゲイ認知の声は性教育をも左右し、ゲイ活動家が大学当局まで支配下に収め、多くの州が同性間性行為禁止法を破棄した。



映画 『フィラデルフィア』 でトム・ハンクスはエイズを患い同僚から白眼視される弁護士を熱演。
ハリウッドはその政治的に公正な演技にオスカーを与えた。
が、同性愛の治癒率はベティ・フォード・クリニック (カリフォルニアにある麻薬・アルコール依存症患者の治療施設。有名人や金持が治療に訪れることで知られている) に匹敵すると主張するソーカライズ博士はあきらめない。
その心意気を伝統主義者も見習うべきだ。
なぜなら同性愛は解放ではなく隷属だから。
ライフスタイルならぬデススタイルだから。
エイズの兆候の現われた患者は決まって博士にこう語る。
「先生、ここに来ていなかったら私はとっくに死んでいたんですね」 と。



ゲイの権利運動を 21世紀の公民権運動と言う者は根本的違いが分かっていない。
公民権運動は法の下の平等を説くにあたり、聖書、自然法、トーマス・ジェファーソンをうまく引き合いに出した。
ゲイ保護にはそれができない。
ジェファーソンは同性愛を犬畜生にも劣る行為とみなしていた。
ヴァージニア州知事時代の 1779年、彼は同性間性交はレイプと同罪だと主張した。
聖書もカトリックの教理も自然法も、同性愛は忌むべき行為、それを容認する社会は堕落に向かうと規定する。
キリスト信者はそのような社会を変革するか、あるいは離脱するべきである、と。



『バーミングハムの獄中からの手紙』 にキング牧師はこう綴る。
「公正な法とは、道徳律または神の掟 (おきて) に調和した規範を指す。
不公正な法とは道徳律の調和を乱す規範をいう。
トマス・アクィナスの言を借りれば ―― 不公正な法とは、不変の掟または自然法に根ざしていない法を指す」



ところがゲイ保護法は 「神の掟」 に調和もしていなければ、「不変の掟または自然法に根ざし」 てもいない。
キング牧師説に照らせば、ゲイ保護法は道徳律の 「調和を乱す」 不公正な法なのだ。
たとえ施行されてもクリスチャンが抵抗する。
それでは国家の信条たりえない。



したがってゲイ活動家たちが社会に同性愛を自然かつ健全、普遍的、倫理的行為と認めさせるには、まずはキリスト教社会撲滅が先決だ。
そうして初めて前進できる。





  
人が誰を好きになろうと愛そうと、それは自由です。
が、『ゲイ保護法」 となると問題は別です。
“誰にでも” 当てはめられることではないからです。


忌み嫌って差別し、イスラム教のように処刑せよとは言いませんが、やはり白昼堂々と天下公道を歩いて、「みな、そうせよ」 と 「法」 で定めるものでもないと、個人的には思います。


ちんみに歴史に残る天下の武将・武田信玄はゲイでした。
が、同時に妻を持ち、側室を持ち、人類繁栄に貢献もしていました (笑)


          ◇


目 次
(
http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-08-15 )

日本版まえがき
序として

第一章 西洋の遺言
第二章 子供たちはどこへ消えた?
第三章 改革要項
第四章 セラピー大国はこうして生まれた
第五章 大量移民が西洋屋敷に住む日
第六章 国土回復運動
レコンキスタ
第七章 新たな歴史を書き込め
第八章 非キリスト教化されるアメリカ
第九章 怯える多数派
第十章 分断された国家
著者あとがき
監訳者解説





  
商品の詳細
SABATON  THE LAST STAND (2016.08.19)
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母国スウェーデンで毎年開催される、自らの名を冠した 『サバトン・オープン・エア』 フェスを筆頭に、彼らは世界中のライヴ会場に旋風を巻き起こしてきた。
日本でも 『ラウド・パーク 2015』 で初来日ライヴが実現。
ステージ上に戦車を据えて繰り広げられた壮絶なパフォーマンスは、新時代のメタル・ヒーローの登場を告げるものだった。



世界的な注目の中、彼らが世に問うのが最新スタジオ・アルバム 『ザ・ラスト・スタンド』 だ。
雄壮なメタルに乗せて古今東西の戦争を描き、“ウォー・メタル" の異名をとるサバトン魂は、本作においても健在だ。
古代ギリシャの勇敢なるスパルタ軍を讃える 「スパルタ」 から始まり、第1次・第2次世界大戦や 14世紀スコットランド、16世紀のローマ略奪などが題材とされているが、初めて日本の歴史的事件がテーマとなっている。



「シロヤマ」 は明治 10年 (1877年) の西南戦争の最終章である城山の籠城戦を歌っており、西郷隆盛と旧士族たちの “サムライの最後の戦い" とひとつの時代の終焉を描写している (歌詞にも “SAIGO=西郷" が登場する)。
アップテンポの鮮烈なリフとメロディ、鮮烈なコーラスを持つこの曲はサバトンの新しいテーマ曲と呼ぶに相応しく、来たるべき再来日公演のライヴ会場で大きな声援が湧き上がるであろう。
さらに 「ロークズ・ドリフト」 では 1879年、南アフリカでのイギリス軍とズールー王国によるローク砦の戦いを描くなど、その世界観は欧米戦線のみならずアジアやブラック・アフリカにも拡がっていく。
各曲の題材となった戦いは以下の通り。



 1.  スパルタ :  BC 480 テルモピュライの戦い (スパルタ 対 ペルシア)
 2.  ラスト・ダイイング・ブレス: 1914-1918 ベオグラードでの戦い
 3.  ブラッド・オブ・バノックバーン: 1314 バノックバーンの戦い (イングランド 対 スコットランド)
 4.  ダイアリー・オブ・アン・アンノウン・ソルジャー: 1918 ムーズ・アルゴンヌ攻勢
 5.  ザ・ロスト・バタリオン: 1918 ムーズ・アルゴンヌ攻勢
 6.  ロークズ・ドリフト: 1879 ズールー戦争 ローク砦の戦い
 7.  ザ・ラスト・スタンド: 1527 神聖ローマ帝国によるローマ略奪
 8.  ヒル 3234: 1988 アフガニスタン・3234高地の戦い
 9.  シロヤマ: 1877 西南戦争・城山の戦い
10.  ウィングド・ハザーズ: 1683 第二次ウィーン包囲 ポーランド軽騎兵隊
11.  ザ・ラスト・バトル: 1945 第二次世界大戦 イッター城の戦い



そんな本作には盟友たちが共鳴。
ジョン・シェイファー (アイスド・アース) が 「ダイアリー・オブ・アン・アンノウン・ソルジャー」 でナレーション、
ヨナス・キェルグレン (スカー・シンメトリー/カーナル・フォージ) がマスタリングを担当、「ブラッド・オブ・バノックバーン」 のバグパイプでゲスト参加している。
それに加えて 1980年代からトーチ、マーシーを手がけるなど、スウェーデンのメタル界の古参プロデューサーであるトーマス・スンモが 「ブラッド・オブ・バノックバーン」 でハモンド・オルガンを弾いているのも注目だ。



新旧メタル連合軍による総力戦が繰り広げられる 『ザ・ラスト・スタンド』 は、世界中のファンに参戦をうながす召集令状なのだ。



初回限定盤にはカヴァー 2曲を収録。
ジューダス・プリーストの 「オール・ガンズ・ブレイジング」 とスタン・リッジウェイ 「カモフラージュ」 がサバトンの魂を注入されて生まれ変わっている。



ボーナス DVD に収録されているのは 2016年 2月 24日、フランスのナント 『ステレオルックス』 で 1,200人を前にした貴重なクラブ・ギグだ。
小規模会場ながら戦車を持ち込み、屋根が突き抜けそうなステージ・パフォーマンスは、 既発タイトル 『ヒーローズ・オン・ツアー』 の野外フェスとまた異なった、観衆への至近距離からの連打を繰り出している。



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