TWENTY ONE PILOTS ~ Heathens
(2016.06.21 公開 ― 09.18 までの再生回数: 223,612,013回)
Billboard TOP 25 HOT ROCK SONGS (2016.09.24 付)
No.1 (Non-Mover | 12weeks in chart)
パトリック・J・ブキャナン著
宮崎哲弥監訳
病むアメリカ、滅びゆく西洋
2002年12月5日 成甲書房
第七章 新たな歴史を書き込め
(5) 新しい歴史
「アメリカじゅうの子供に自国の歴史に精通してほしい。史実をそらんじ、自由を讃え、国のために改革をなした輝かしき英雄の名をすらすら言えるようになってほしい」 と、ノア・ウェブスターは言った。
われわれも同感だった。
だが文化改革は公立学校から 「輝かしき英雄」 お歴史を追いやり、子供たちを親世代の信念、過去の遺産から切り離すような新カリキュラムを導入した。
「一国の人々を滅ぼすには、まずはそのルーツを断ち切ること」 だとソルエニーツィンは言った。
「新たな人民」 創出のため、改革派はまずは新たな歴史を創らねばならない ―― 計画は着々と進行中だ。
1992年、UCLA は全米人道基金と教育省から 200万ドルの補助金を受け、5年性から 12年性までの教科書の 「全米歴史基準」 開発の着手、1997年に完成させた。
今後、公立学校の歴史教科書がどうなるかというと ――
◍ サミュエル・アダムズ、ポール・リヴィア、トーマス・エジソン、グラハム・ベル、ライト兄弟に関する言及は一切なし。
◍ クー・クラックス・クラン (KKK 団) に関しては 17ヵ所、ジョゼフ・マッカーシー上院議員に関しては 9ヵ所も記載あり。
◍ ハリエット・タブマンが 6回出てくるのに対し、ロバート・リーは無視されている。
◍ ジエラ・クラブと全米女性機構の創設日がわざわざ掲載されている。
◍ 売国奴アルジャー・ヒスと、スターリンに原子爆弾の軍事機密を漏らし処刑されたローゼンバーグ夫妻に関しては、「どう教えるかは教師の裁量に任せる」
◍ 憲法制定会議についての言及は一切なし。
◍ ジョージ・ワシントンが大統領だったことも、大統領就任演説も記載がない。
その代わり生徒に 「独立戦争終結時のインディアン指導者とジョージ・ワシントンの会話を想像させる」
◍ 1969年のアメリカの月面着陸に関する記述はないが、宇宙探索におけるソ連の 「進歩」 は賞賛されている。
◍ 唯一取り上げられた連邦議員は、レーガン大統領を 「手前勝手なチアリーダー」 と呼んだ下院議長ティップ・オニール。
◍ 生徒は石油王ジョン・D・ロックフェラーお模擬裁判を開くよう指導される。
◍ 生徒は 「古代マリ王国の社会慣習およびマンサ・ムーサ朝の華麗なる繁栄を分析」 し、アステカ帝国の 「技術、労働システム、建築様式」 を学ぶよう指示される。
が、古代アステカの奇異な風習、人身供物の記述はない。
ラッシュ・リンボーのお薦めどおり、全米歴史基準は 「トイレに流されて」 しまったか?
どうやらそうではなさそうだ。
2000年 12月、『ワシントン・タイムズ』 が報じたヴァージニア州・新歴史教育基準によると ―― 1 粘性はポカホンタスがジョン・スミスと同時代人だったことを学ぶ。
南北戦争を教える過程でリーとストーンウォール・ジャクソンの名は省かれる。
3年生は、われらが旧友マンサ・ムーサの 「高度に発展した西アフリカ王国マリ」 を学び、新たに儒教とインダス文明も強調される。
孔子にページを割くために誰が、何が振るい落とされたか ―― ポール・リヴィア、ディヴィ・クロケット、ブッカー・T・ワシントン、ジョン・ポール・ジョーンズ (← 註:レッド・ツェッペリンのベースじゃなく、アメリカ独立戦争時の大陸海軍の軍人ですねw)、感謝祭、ビルグリム、独立記念日、ヴァージニアの世事火ハリー・F・バード・シニア。
過去との戦争、そして児童の脳の鈍化 ―― 新たな歴史を書き込むため、いったん空っぽにする ―― は成功しつつある。
最近の調査によると、大学生 (全米トップクラスの 55大学の 3、4年生、556人) に高校レベルの歴史のテストをしたところ、5人に 4人は落第点だったという。
ヨークタウンの戦いを征した将軍名を知っていたのはわずか3分の 1、憲法起草者としてマディソンの名を挙げたのが 23%、「人民の人民による人民のための政治」 をリンカーンのゲティスバーグ演説と結びつけたのも 22% しかいなかった。
朗報もある ―― ほぼ全員がスヌープ・ドギー・ドッグ (← 註: ラガマフィン、ヒップホップの MC) とビーヴィス & バットヘッド (←註: テレビアニメ。ja.wikipedia.org/wiki/BEAVIS_AND_BUTT-HEAD) を知っていた。(←www (^^;)
「われわれは歴史から逃れることはできない」 とリンカーンは言った。
が、どうやら改革派のおかげでジェネレーション X 世代は逃れることができたらしい。
10年前、ジェシー・ジャクソン率いる無知蒙昧パレードはスタンフォードのキャンバスで繰り返しシュプレヒコールをあげた。
「ヘイ、ヘイ、ホー、ホー、西洋文化はもう消えた」。
その声に納得した同大学は西洋文明を必修課程から除き、代わりに 「文化・思想・価値」 コースを設けた。
現在、全米トップクラスとされる 55大学のうち、アメリカ史を必修とする大学はただの 1 校もない。
「カリキュラム論争は、アメリカ人とは何ぞや、との論争でもある」 とシュレシンジャー博士は指摘する。
「結局、アメリカの未来が懸った問題」 だと。
しかし、歴史に疎く文化痴呆症を患った世代が行方を左右するアメリカの未来とは?
UCLA の歴史基準が公になった頃、スミソニアン協会が対日戦勝 50周年記念展を開催した。
広島に原爆投下した爆撃機 「エノラ・ゲイ」 を特別展示した同展は、太平洋戦争におけるアメリカの驕りを露呈するとして退役軍人やマスコミの猛反発を食らった。
『U・S・ニューズ』 のコラムニスト、ジョン・レオはその機会にモールの博物館巡りをしてみた。
アメリカ歴史博物館の 「生活の科学」 コーナーは 「失敗と危険物 ―― DDT、スリーマイル島、オゾンホール、酸性雨、チャレンジャー爆発事故、毒性産業廃棄物の捨て場 ―― に特化した政治的含みのある」 展示。
航空宇宙博物館は、航空機を大量殺戮のための発明品と断罪。
いずれわが国海軍に大打撃を与えた日本の神風特攻隊が空の英雄と讃えられるに違いない ―― というのがレオの所感である。
全米の博物館が、とっくの昔にグラムシの子孫に牛耳られていた。
ミレニアム前夜の 1999年大晦日、「史上初のアメリカの世紀」 の閉幕式が何一つ催されなかったことに着目したのは、作家トム・ウルフぐらいだった。
おや、紙面を間違えたかな。
チャンネルも周波数も間違えたかな・・・
「史上初のアメリカの世紀」 から 「第二のアメリカの世紀」 への移行に言及した学者がただの一人でもいただろうか。
「ブリタンニアよ、統治せよ!」 のジェームズ・トムソンのごとくただの一人でも力強いアメリカ賛歌を書いた詩人がいただろうか。
終幕したばかりの前世紀、残虐な国粋主義同盟、ドイツ・ナチスとソ連共産党 ―― これに比べたらフン族とマジャール人も単なる悪ガキに思えるほどの組織的奴隷狩り集団 ―― を打ち負かしたこの国のために。
1897年のヴィクトリア女王治世 60周年記念時のような熱狂的特番を組んだテレビ局がただの 1 局でもあっただろうか。
クリック 1 つで世紀が移り変わっただけ、そんな印象だった。
愛国心と誇り・・・
輝かしき帝国への思慕を呼び覚ます勇壮なる凱歌は、カチッとマウスが鳴る音だった。
前世紀アメリカが成し遂げた偉業を、誰が誇らしげに回想したか?
ロンドン、ニューヨーク、東京、北京 ―― 世界のどこかで、2000回目の誕生日を迎えた男を振り返る祝典があったか?
ほぼ皆無だ。
なぜなら、ミレニアムを前にアメリカ人はすでにキリスト教とは袂を分かった道を歩み始めていたのだから。
◇
アントニオ・グラムシ
(Wikipedia )
◆ 慰安婦問題 (27) 人間を疎外している文化を破壊しなければ共産主義には到達できない
2014.02.11
(natsunokoibito.blog.fc2.com/blog-entry-1252.html )
若狭和朋著
『日本人に知られては困る歴史』
「昭和の大戦と東京裁判の時代」
2013.02.20 発刊 より抜粋
ナチを逃れてアメリカに亡命した
多数のマルクス主義者たち
歴史の運命の一変は 1917年 (大正 6年) の 『ロシア革命』 以降である。
『ロシア革命』 というのは、プロレタリアート (労働者階級・無産者階級) 主導の社会主義革命だったとの誤解が世を覆っている。
当時は 「ロシア・ユダヤ・クーデター」 と呼ばれた事件だった。
マルクス (Wikipedia ) がユダヤ人なのは周知のことだが、
レーニン、トロッキー、ジュノビエフ、カメーネフ・・・など指導者のほとんどはユダヤ人なのである。
※ 「ユダヤ人」 とは 「ユダヤ教を信仰する人たち」 という意味で、
民族的には 「セム系イスラエル人」 だが一般的に 「ユダヤ人」 と呼ばれている。
先の章でも触れたが、ルーズベルト大統領もユダヤ人だ。
第一次世界大戦の敗戦国ドイツは 「社会主義革命」 の危機に陥った。
有名な指導者、ローザ・ルクセンブルグやカール・リープクネヒトたちもユダヤ人である。
敗戦国ドイツはワイマール共和国となるが、主要な指導者をユダヤ人とする 「ユダヤ・ドイツ」 と目されていたのだ。
これらへの激烈な反動が 「ナチズム」 だが、ナチを逃れて多数のマルクス主義者がアメリカに亡命した。
コロンビア大学やハーバード大学を拠点にした 「フランクフルト学派 (シユーレ)」 はつとに有名である。
ルーズベルト政権を支えたニューディーラーと呼ばれる一群の人々はマルクス主義者なのだ。
ルーズベルトもコロンビア大学を出て、ハーバードの大学院を出ている。
ルーズベルト政権の主要なフタッフのうち、200数十人、正規職員以外では 300人を下らないマルキストが含まれていた。
このなかには当然、ソ連や 「コミンテルン」 (※共産主義政党による国際組織。Wikipedia ) の要員が含まれていたことが、 『ビェノナ文書』 (暗号の解読が進み 1995年から公開され始めた。Wikipedia ) 等により明らかになっている。
このことは、現在の門内に直結していることなので、マルクス主義を古臭いと感じる向きは、ちょっと認識を改めていただきたいものだ。
1917年の 『ロシア革命』 の成功は、当時の言葉でいえば 『ユダヤ・クーデター』 の成功なのである。
「マルクス主義の勝利」 と錯覚されたにすぎない。
アメリカで 『西洋の死』 (パトリック・J・ブキャナン著、2002年) が出て衝撃を与えた。
日本では 『病むアメリカ、滅びゆく西洋』 (宮崎哲弥監州訳・成甲書房) として刊行されている。
このフランクフルト学派の理解を抜きには、いまの日本や世界の病根を理解することはできないだろう。
『ロシア革命』 のあと、『ハンガリー革命』 に敗れたルカーチ (Wikipedia ) は、ソ連に亡命した。
次々に敗北していくヨーロッパの退潮を見て、彼は革命が起らない原因を次のように考えた。
それは人民の頭を縛る文化の力と考えたのである。
彼は著書 『歴史と階級意識』 のなかで、プロレタリアートだけではない人間全体の 「自己疎外」 からの解放、つまり古い価値観の廃絶、それに替わる新たな価値観なしには革命の成就はありえないと考えた。
一時勝利したハンガリーの革命政府で、ルカーチは 「教育人民委員」 (教育大臣) に就き、自分の理論を実践した。
学校の生徒たちは恋愛の自由や古い性道徳からの脱却を教えられた。
女性は古い性道徳から脱却するように求められた。
疎外からの脱却ということから、あらゆる 「文化」 規範が批判の対象となったのである。
女性の貞操観念などは反革命的と嘲笑された。
キリスト教、教会、家族制度、父権、性的節度、伝統、国家、愛国心、尊敬心・・・
ありとあらゆる徳目や 「価値」 は批判されなければならないとされた。
ハンガリー革命が再び敗北すると、彼はワイマール共和国 (ドイツ) に逃れ、『フランクフルト大学』 に 「マルクス研究所」 を創設した。
1923年 (大正 12年) のことである。
「古い」 マルクス・レーニン主義は自覚しないままに権力奪取に成功してしまったのだ、とルカーチは考えた。
ルカーチのこの考えには明らかにマックス・ウェーバーの影響がある。
資本主義社会の誕生には、資本主義の精神 (エスト) が産業革命等を指導したからだと彼らは考えたからである。
マックス・ウェーバーもユダヤ人である。
革命意識に鋭く目覚めた一団の 「前衛」 たちが、文化破壊をロシアで成し遂げ、革命に成功したのであり、
このように人間を疎外している文化を破壊しなければ共産主義には到達できない。
そして、革命の主導者、疎外された労働者ではなく、知識人でなければならない。
なぜなら、「批判理論」 を駆使し、諸学問を学際的に結合し、資本主義社会の構造を批判の対象として構造化できるのは、知識人だからである。
インテリゲンチュアこそ物象化の止揚お任務を担う主体なのだ。
このような思想の 「フランクフルト学派」 は、コミンテルン的な旧式なマルクス・レーニン主義と違って (重なった部分も大きいが)、知識人向きのマルクス主義として大学・メディアの世界に広がっていった。
マックス・ホルトハイマー、ハバーマス、アドルノ、フロム、ライヒ、ベンヤミン、マルクーゼたちが有名だが、『日本国憲法』 制定工作で名の出るノイマン (Wikipedia ) も、その一人である。
※ 『日本国憲法の招待とその問題点』 (http://www.h-ri.org/column/?cate=conf&id=001 )
日本人では、あの 「福本イズム」 の福本和夫氏が初期の紹介者だ。
フランクフルト学派の一派が
戦後の日本を改造した
(前略)
高校教師の世界も同じである。
ほとんどの都道府県で教育委員会の最高幹部のなかに 「隠れキリシタン」 ならぬ、隠れマルキストがいる。
現に文部省の最高幹部 (事務次官) には 「カクメイをやるには入るしかない」 と若き日に公言した人物がいた。
彼は今日の 「ゆとり教育」 なる教育破壊の責任者のひとりである。
名など知る人ぞ知る、だ。
彼は文部省 (旧) のキャリアとして入省していた。
※彼=後に小泉内閣の文部科学事務次官となった小野元之氏
彼らの生き方のモデルは 「騙しも可」 のマルクーゼである。
彼はライヒやフロムを引きながら、父権の確立した家族、つまりは権威主義的家族は全体主義や軍国主義の基盤になるから、家族ではなく個人の人格を尊重する家庭にならねばならないのだと言っている。
そしてくだんの次官は、民主教育の理論を体した者こそが、教育界を指導しなければならないと、ルカーチを賞賛していた。
「俺は国家の中枢に入るつもりだ。
プロレタリアートなんぞ、いまや幻想だ。
二・二六 (事件) では、俺は一個中隊を指揮したかった。
諸君もこれからどんどん国家の中枢に入れよ。
総評 (当時) なんかにいくら説教しても革命は来ない。
中から、そして上から、知力と権力で革命はやるのだ。
マルクスも 『ドイツ・イデオロギー』 あたりでは、そう言えばよかったのだ。
マックス・ウェーバーはマルクスの裏を取ったのだ。ルカーチはそれを知ったのだ。
だから潜るさ・・・」
これは 23 歳当時の会話だった。
彼は文部省に入った。
そして彼は、ジェンダーフリーや、ゆとり教育の旗手でいる。
同類の一人が外務大臣になった時には、私はさすがにささやかな義憤を感じたものである。
※ 同類の一人=おそらく川口順子氏
私は法学の徒だが、東大法学部憲法学 (元) 教授宮沢俊義氏 (この先生はフランクフルト学派として令名が高い) 門下のイデオローグたちが何を考えているかぐらいは想像できるつもりである。
GHQ 御用達のフランクフルト学派の牙城は簡単には揺るがないだろう。
(後略)
イデオロギーとは 「虚偽意識」 にほかならない
(抜粋)
ユダヤ人の不幸な天才ルソーは、『社会契約論』 や 『エミール』 を著し、「人民」 解放の語り口で差別に苦しむ同胞の解放のために気を吐いた。
アメリカ建国のエネルギーは、ユダヤ人たちの生存への意志と情動に大きく依拠している。
フランクリン・デラノ・ルーズベルトはモーゼの再来とユダヤ人世界では囁かれたものである。
彼の先祖は 17 世紀にオランダから移住したユダヤ人社会の名門である。
ルーズベルトたちが、ユダヤ人のホロコースト (抹殺) を進めるナチス・ドイツを許すはずがない。
『三国同盟』 (※日・独・伊) の愚を、日本人はまるで知らなかったのである。
マッカーサーは 「真っ赤さー」 と言われた時代があった。
GHQ のピンカーズ (赤いやつ) が持ち込んだマルクス主義の虚偽意識 (イデオロギー) を条文化したものが 『日本国憲法』 である。
これらは、民法・教育基本法・男女共同参画法・家族・相続・扶養・・・税制に至るまで、敗戦日本の骨格・血肉となっている。
(第一次) 安倍内閣が 「戦後レジューム」 の改革を標榜したが、挫折した。
安倍氏に向けられた凄まじい敵意は、利権とイデオロギー構造の深部から発している。
◇
目 次
(http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-08-15 )
日本版まえがき
序として
第一章 西洋の遺言
第二章 子供たちはどこへ消えた?
第三章 改革要項
第四章 セラピー大国はこうして生まれた
第五章 大量移民が西洋屋敷に住む日
第六章 国土回復運動 (レコンキスタ)
第七章 新たな歴史を書き込め
第八章 非キリスト教化されるアメリカ
第九章 怯える多数派
第十章 分断された国家
著者あとがき
監訳者解説
↧
◆ (49) 第七章 ⑤ 新しい歴史
↧