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◆ (47) 第七章 ③ 真実省の暗躍

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LINKIN PARK ~ Numb
UK TOP 40 ROCK SONGS (2016.09.02付)
No. 4  (Up-13 | 436weeks in chart)



パトリック・J・ブキャナン著
宮崎哲弥監訳
病むアメリカ、滅びゆく西洋
2002年12月5日 成甲書房



第七章 新たな歴史を書き込め

(3) 真実省の暗躍



では建国者たちの話はどう語られているか。
最初の 7人の大統領のうち、アダムズ親子を除く 5人が奴隷を所有していた。
「すべて人間は平等に創られている」 と宣言しながら生涯奴隷を使っていたジェファーソンは偽善者である。
さらに彼は奴隷サリー・ヘミングスと愛人関係を持ちながら、生まれた混血児たちの認知を拒んだ面汚しでもある。
ワシントンも奴隷所有者であると同時に、米国史上、最も邪悪な組織の会員だった。
マディソンも同様、奴隷制反対運動指導者ギャリソンは、マディソンの書いた憲法を 「死との協定、地獄との契約」 と断罪した。
憲法制定会議を成功に導くための汚い駆け引きにより、黒人を 5分の3人にしか数えない人種差別法であったと。
頑固親父 (オールドヒッコリー) アンドリュー・ジャクソンに関しては、コラムニストのロバート・ノヴァクが 「殺戮者にして煽動家、人でなし、人種差別主義者、おまけに汚職政治家」 とお判決を述べている ―― さらにインディアン大量虐殺で有罪だと。



まったく、 真実省 のあっばれな働きぶりには恐れ入る。
私の親世代が若かった頃、アメリカ人男性の 89%、女性の 94% は時刻が世界一すばらしいと考えていた。
今日、その意見に賛成する男性は 58%、女性はわずか 51% しかいない。



『フロントベージ・マガジン』 のコラムニスト、デイヴィッド・イェイグリー博士は、こうした歴史批判が若者世代の愛国心を蝕んでいると指摘する。
オクラホマ州立大学で社会心理学のゼミを持つ同氏は、コマンチ族の末裔だ。
ある日、愛国心について討論していた際、白人の美しい女子学生が突如こんなふうに切り出した ――



先生、私はアメリカ文化に誇りなんて感じません。
何の中身もありませんから。
何民族というわけでもないし・・・
アメリカ・インディアンの伝統はすばらしいと思います。
だから、先生ならご自分の文化に誇りをお持ちでしょうけど。
私には文化などありませんから・・・
アメリカの歴史も誇らしいとは思いません。



「正直言って私は驚かなかった」 とイエィグリー博士は語る。
「この大学のアメリカ史の学部長を知っているが・・・
陳腐なリベラルの戯言 (ざれごと) ばかり口にする人で・・・
件の学生は彼の授業もとっていたから予想どおりの発言」。
それより自分の文化を貶された他の学生たちが何の反論もしないことに衝撃を受けたという。
インディアンの世界だったら、女性が同じ部族の男の前でこんな発言をするとは考えられない。



アメリカ史の改訂家たちは見事にその職責を果たしたわけだ。



2000年の大ヒット映画パトリオット』 への反応はどうだったか。



メル・ギブソン演じる主人公ベンジャミン・マーチンはかつてフレンチ・インディアン戦争の勇士だったが、現在は 7人の子供を抱える父親で反戦主義者である。
だが目の前で残虐な英軍大佐に次男を殺され、長男を連れ去られて復讐のために立ち上がる。
舞台はサウスカロライナ、マーチンは独立戦争の英雄フランシス・マリオンとゲリラ戦士ダニエル・モーガンをミックスさせた人物で、英軍士官は伝説的冷酷大佐パナスター・タールトンを基にしている。



2つの印象的な戦闘シーンが物議を醸した。
1 つめは、次男の射殺を目の当たりにした後、マーチンがその下、13歳と 10歳の息子たちに銃を持ってついてこいと指示する場面。
親子は奇襲攻撃で英軍を一蹴し、マーチンは最後の一人を手斧でぶった切る。
殺された次男の仇を討ち、隣地に処せられそうな長男を救ったのだ。
2つめは英軍士官がマーチンへの仕返しに村人たちを教会に閉じ込め、火を放てと命ずる場面。



『パトリオット』 を観終えた直後の評論家のなかには、息子の惨殺現場を目にした直後の街ン以上に怒り狂う者もいた。
「あれを歴史だと思ってはいけない」。
ジェイムズ・ヴァーニアは 『ボストン・ヘラルド』 でそう述べた。
「アメリカのプロモーション映画だ」 と。
そうだとしていったい何が問題なのか



『ボルティモア・サン』 のアン・ホーナデイによると
「誇張された美談とセンチメンタリズム。
古臭さでは 『七月四日に生まれて』 といい勝負だが、オリヴァー・ストーン以上にいんちきだらけで有害な作品」。
で、いったい誰に対して有害だというのか。
ストーンこそ CIA と軍とリンドン・ジョンソンが JFK 暗殺を謀 (はか) ったとほのめかしているではないか。



映画監督スパイク・リーが激怒に駆られ、業界紙 『ハリウッド・リポーター』 に書き送った書簡の内容はここで紹介する価値がある。
これぞまさしく昨今の文化人の見方そのものだ。



多くのアメリカ人同様、私も 『パトリオット』 を観にいった。
そして怒り心頭で映画館をあとにした・・・
『パトリオット』 は露骨なプロパガンダ以外の何物でもない。
歴史の汚点を糊塗 (こと) し、うわべだけ取り繕っている・・・
約 3時間もの間、奴隷問題は巧みに回避され、すりかえられ、あるいは完璧に無視されている・・・
この国はネイティヴ・アメリカンの虐殺とアフリカ系住民の奴隷化によって創られた。
犯罪によって、と言い換えてもいい・・・



思わずスクリーンに向かって飛び出すところだったとリーは述懐する。
さらにギブソン演じる主人公が奴隷を所有していない、独立戦争映画なのにインディアンが出てこないとして、非難の矛先は脚本のロバート・ロダットに向かう。
「インディアンはどこへ行ったんだ?
二人のジョン ―― フォードとウェイン ―― が、一人残らず追っ払っちまったのか?」 と。
マーチンが国旗を掲げ的に立ち向かうラストシーンについては 「お笑い種 (ぐさ) だ」 と吐き捨てた。



リーの書面からは反米主義の憎悪の炎が立ち上がってくる ――
この国は 「虐殺」 と 「奴隷化」 によってできた国、その見方を否定するような人間は 「犯罪者」 であるという信念が。
独立戦争をインディアンの虐殺抜きにあっぱれな英雄譚として描けるのは頭のおかしなやつか犯罪者だけだと彼は言う。
そして自由な、幸せな、あるいは忠義に厚い黒人を描くのは噴飯物だと ――
そんなことはありっこない、と。



『サロン・コム』 のジョナサン・フォアマンはこの邪悪な映画のルーツを調査した結果、次のような結論に達したという。
「『パトリオット』 に出てくる残虐非道な兵士たちの振る舞いは、イギリス軍というよりナチの武装親衛隊にそっくりだ。
『パトリオット』 には何か別に秘めた狙いがあるのでは?」



ここ数十年来の映画の中で、『パトリオット』 ほどファシスト的映画はなかったのではないか (ここで言う 「ファシスト」 は文字通りの意味であって、「悪」 の類義語として使用しているわけではない)。
・・・ 『パトリオット』 はセンチメンタル極まる家族崇拝を描き、奇妙なことにヒーロー役はアーリア人的顔立ちの者ばかり・・・。

父親に武器を持たされ闘う亜麻色の髪をした子供たちは、ヒトラー・ユーゲントの残忍な少年兵士を彷彿とさせる。

いちばんの見所は復讐心に駆られたギブソンが斧を振り回す森の虐殺団の一員となって活躍するさまで、まさにナチに寵愛された・・・。

舞台となるサウスカロライナの黒人たちは、基本的に降伏で忠実な奴隷、あるいは幸福な自由人 (ありえないが) として描かれている。




フォアマンによれば、教会の焼き討ちシーンは1944年 7月に起こったナチによるフランス・オラドール村大量虐殺の模写だという。
「ドイツ人監督ローランド・エメリッヒの潜在意識」 の為せる業 (わざ) だろうか、と。
部隊をオラドールからサウスカロライナに移すことにより、監督と脚本家は 「ホロコースト修正論にも似たおぞましい物語を展開した。オラドールの歴史的恐怖を観客に植え付け・・・それとなくナチ復権をほのめかしている・・・」。
ナチ宣伝相ヨーゼフ・ゲッペルスがよく 「孤立主義のイギリス人嫌いを煽るため」 に作った映画と同タイプだと。
「気にするな!」 とでも言っておこう。(←wwww)



不幸なことに、こんなふうに歴史を否定的にしか見られない人もいる。
父親と 7人の立派な息子たちの感動物語は 「家族崇拝」、
自由獲得のためイギリス軍と必死に戦う親子は 「ファシスト」、
銃を手に戦うマーチンの息子らは 「亜麻色の髪」 に 「アーリア人的顔立ち」 だから 「ヒトラー・ユーゲント」。
フォアマンにとっては、そこいらじゅうファシストだらけなのだ。



スパイク・リー同様彼も、黒人が誇り高き兵士、愛国者として描かれることに我慢ならないという。
しかしこれは忘れられた史実を映画に再現したものなのだ。
ジャクソン指揮下のニューオーリンズでも、南北戦争の北軍でもフォレスト将校率いる南軍でも、黒人は兵士として参戦した。
『パトリオット』 に対する度を越した反応は文化エリートによる教化作戦成功を証明している。
時代の最先端を行く三文文士族は、アメリカの歴史、憂国の士と聞いただけでほとんど反射的に憎悪を示すようになったのだから。



文化エリートたちに言わせると ――
南北戦争は奴隷所有者と国賊どもが悪しき制度保持のため連邦軍打破を目論んだ謀反 (むほん) であり、「失われた大義」 は黙殺すべき卑しい言い訳でしかない。
したがって南部連合軍の旗はナチの鉤十字 (ハーケンクロイツ) 同様忌むべきシンボルで、そうした残虐な旗印のもとに集まるのは白人至上主義者かモラルに欠ける人間だけ。
リーとジャクソンに関しては邪悪な大義のために無数の死者を出した張本人であるからして、NAACP (全国黒人地位向上協会) が公の場から記念プレートを除去しろと要求するのは彼らの当然の権利であるばかりか、道徳的にもまったく正しい、となる。



しばらく前まで、厳しい自然や無法者、インディアンとの闘いにもめげず大地を切り開いた 「西部の覇者」 ―― 開拓者や兵士、入植者、カウボーイ ―― を描いた小説、映画、ドラマはアメリカはおろか世界中の人々を熱狂させた。
が、リヴィジョニスト (※歴史修正主義者) の働きにより、今やインディアンを未開、気まぐれ、あるいは残忍と描くような映画は 1 本もない。
むしろ 『志位さな巨人』 や 『ダンズ・ウィズ・ウルブズ』 のように、インディアンは大地と自然をこよなく愛する環境保全主義の先駆けとして描かれる。
節操のない白人集団が大平原を嵐バッファローを殺し、疑うことを知らぬ温和なインディアンを騙し虐殺する。
カスター将軍と第七騎兵隊は近頃では 「移動抹殺帯」 (アインザッツグルッペン) の見本とされている。





  
いやはやなんとも、笑っちゃうぐらい、どこぞの国のだれぞたちと瓜二つwww
こうなるともう、共産主義というのはカルト宗教で、教義の中に洗脳作用が仕組まれているとしか思えませんね \(^o^)/
「A に触れたら B に変換される」 といったwww



インディアンの中にも、良い人もいれば悪い人もいた。
黒人の中にも、良い人もいれば悪い人もいた。
白人の中にも、良い人もいれば悪い人もいた。
日本人の中にも・・・という、ごくごく当たり前のことが分からない人たちがいる。



いずれにしても昨今のプロパガンダの風潮として、貶めたいヤツを、即、ナチに照らし合わせる。
世界的に “出どころ”  が一緒だってことの証明ですね。
となると、やっぱり、あのあたりでしょうねぇ・・・ほら、あれよ、あれ (笑)



今から 4000年以上の昔、中東のカナン (現在のパレスチナ) の地に、西セム系遊牧民のひとつであるイスラエル人が侵入して定住し、カナンの先住民であるカナン人と対決して征服を続けていきました。



同じ頃、海上民族の一派であるペリシテ人もカナンに侵入し、イスラエル人との間に激しい戦闘を繰り返すようになります。



紀元前 1100年紀、イスラエルの王となったダビデは、北部のイスラエルと、南部のユダを、初めて統一し、エルサレムを首都と定めます。



ダビデは傭兵隊を組織して、しばしばペリシテ人と闘って勝ちました。
ダビデと、その子・ソロモンの時代を 「ソロモンの繁栄」 と言います。
しかしその繁栄は長く続かず、ソロモンが死ぬと、イスラエルは再び、「北部=イスラエル王国=首都シケム」 と 「南部=ユダ王国=主とエルサレム」 に分裂してしまいます。



そして前 721年、北部イスラエル王国は、アッシリア王サルゴンⅡ世に滅ぼされ、上流階級は各地に強制移住させられます。



また、前 597年には、南部ユダ王国も、新バビロニアのネブカドネザルⅡ世に攻められ、首都を占領されたうえに、指導者が捉えられてバビロンに連れ去られます (第 1 回目のバビロンの捕囚)。
前 586年には、次の王も新バビロニアに反抗したためユダ王国は滅ぼされ、第 2回目のバビロンの捕囚が行われました。



その頃、イザヤ、エレミヤのような預言者が現われて、「イスラエルとユダの対立、貧富の差の拡大、異教の神々に対する信仰
」 などに警告を発していたのですが、その声も虚しく、イスラエル人の国家は南北とも滅亡してしまったのです。

イスラエル人は 天地を創造した唯一神 「ヤハウェ (エホバ)」 を信仰していましたが、国家滅亡後の長い放浪の間に、「救世主 (メシア)」 の思想を抱くようになります。
しかしそれは、キリストのようなメシアではなく、「ダビデやソロモンのような勇者が現われて、再び王国を取り戻して下さる」 というヒーロー願望でした。



しかし、各地で石を投げつけられて追われるような日々が、100年、200年・・・500年と続くうちに、ヒーロー願望は、貧しさや苦しみなどを救ってくれる救済のメシア願望へと変わっていった中から、「キリスト教」 が生まれます。



ローマ帝国にも多くのイスラエル難民が押し寄せ、ローマ皇帝は当初は彼らを迫害していたのですが、やがて、虐げられれば虐げられるほど、メシア信仰が強くなる ということに気づき、迫害の手を緩めます。
そして 313年、コンステンティヌスⅠ世が信仰の自由 (特にキリスト教) を公認します。



これによってキリスト教は世界に広まっていったのですが、キリスト教の原点は 「虐げられた者を救う」 ということを、忘れてはいけません。 (笑)
世の中が平和で幸せだったなら、キリスト教は必要がないのです。
ということは、なんでも悲観的に捉える傾向があり、それが無い場合は、想像や妄想で悲観を作り出してしまったりしますw



ところで、私はしばしばキリスト教やユダヤ人といったものがゴチャゴチャになっちゃうので、簡単に整理します。



◍ 北部イスラエル王国 (イスラエル人)
    = 首都シケム (シェケム・現在パレスチナ国内) = ユダヤ教の隠れた聖地
    = ユダヤ教 (ダビデ・ソロモンのようなヒーロー願望)
        = 現在のイスラエル


◍ 南部ユダ王国 (イスラエル人)
    = 首都エルサレム = キリスト教の聖地
        = キリスト教 (キリストのような救済願望)
       = 共産主義・マルキスト・フランクフルト学派などなど

          ◇


目 次
(
http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-08-15 )

日本版まえがき
序として

第一章 西洋の遺言
第二章 子供たちはどこへ消えた?
第三章 改革要項
第四章 セラピー大国はこうして生まれた
第五章 大量移民が西洋屋敷に住む日
第六章 国土回復運動
レコンキスタ
第七章 新たな歴史を書き込め
第八章 非キリスト教化されるアメリカ
第九章 怯える多数派
第十章 分断された国家
著者あとがき
監訳者解説



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