DISTURBED ~ The Sound Of Silence
――1965-SIMON & GARFUNKEL
UK YOP 40 ROCK SINGLES (2016.09.02付)
No.3 (Down-1 | 38weeks in chart)
パトリック・J・ブキャナン著
宮崎哲弥監訳
病むアメリカ、滅びゆく西洋
2002年12月5日 成甲書房
第七章 新たな歴史を書き込め
(2) さらば、コロンブス
コロンブスによる大陸発見 300周年を記念し、1792年、ニューヨークのキングス・カレッジはコロンビア大学と改称、連邦首都はコロンビア特別区と命名された。
1882年、アイルランド・カトリック教徒は 「神の代弁者たる命」 を拝受するため 『コロンブス騎士会』 を組織した。
われわれは 「大洋の提督」 コロンブスとともに成長した。
ところが、コラムニストのギャリー・ウィルズが 『ニューヨーク・リヴァー・オブ・ブックス』 で得意満面に語ったように ――
アメリカ大陸発見 500周年を前に奇妙な現象が起きている・・・
コロンブスの大バッシングだ。
すでにインディアンがいたので彼は済まなそうに入ってきた ――
が、本心からそう思っている態度ではなかった・・・
名誉失墜である。
カークパトリック・セールの 『楽園の征服』 とジャン・カルーの 『コロンブス ―― たく円の侵犯』 は、「西洋に奴隷制度を持ち込み、今日まで続く恥と差別の遺産を生み出した」 のはコロンブスだと痛烈に批判した。
国連はコロンブス記念行事を取りやめ、全米教会評議会はアメリカに 「虐殺、奴隷制度、環境破壊、資源濫用」 を持ち込んだ懺悔として 500年祭は中止すべきとの見解を示した。
『ニューヨーク・プレス』 のコラムニスト、ジョージ・サミュエリは次のように書いている ――
コロンブスの大西洋横断 500周年にあたる 1992年は国をあげての祝賀行事もほとんどなしに過ぎていった ――
残虐かつ貪欲な征服者とのお定まりの糾弾だけが声高に叫ばれ、国中が当惑に打ち沈んだ。
2000年 10月、デンヴァーではコロンブス・デイのパレードがアメリカ・インディアン連動 (AIM) 過激派の脅しにより中止となった。
AIM のトラブルメーカー指導者ラッセル・ミーンズによると、コロンブスに比べたら 「ヒトラーは非行少年のようなもの」 だとか。
そうした時代の流れに歩調を合わせ、カリフォルニア大バークレー校は早速、「コロンブスの日」を 「先住民族の日」 に改名した。
偉大なるスペイン人探検家らは、すでに徹底して救いがたい殺戮者呼ばわりされている。
アメリカは 「発見」 されたのではない、狂った欧州人侵略者が土着文化を焼き払い、先住部族を壊滅させたのだという。
今ではコルテスがみずからの船を焼き払って退路を断ちアステカを征服、改宗させた行為は平和を愛する民族に対する文化ジェノサイドとされている。
アステカ族自体が征服者で、打ち負かした敵を隷属させ、アステカの軍神・太陽神ウィツィロポチトリに人身御供として捧げていた事実は無視して。
だいたい何をもって 「文化ジェノサイド」 というのか。
欧州人がアメリカ大陸入植を果たした当時、まだいくつかの部族には食人風習 (カニバリズム) が残っていたのに ――
紡ぎ車を発明した部族さえいなかったのに。
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目 次
(http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-08-15 )
日本版まえがき
序として
第一章 西洋の遺言
第二章 子供たちはどこへ消えた?
第三章 改革要項
第四章 セラピー大国はこうして生まれた
第五章 大量移民が西洋屋敷に住む日
第六章 国土回復運動 (レコンキスタ)
第七章 新たな歴史を書き込め
第八章 非キリスト教化されるアメリカ
第九章 怯える多数派
第十章 分断された国家
著者あとがき
監訳者解説
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◆ (46) 第七章 ② さらば、コロンブス
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