RED HOT CHILI PEPPERS ~ Can't Stop
UK TOP 40 ROCK SINGLES (2016.09.02付)
No.1 (Non-Mover | 191weeks in chart)
パトリック・J・ブキャナン著
宮崎哲弥監訳
病むアメリカ、滅びゆく西洋
2002年12月5日 成甲書房
第七章 新たな歴史を書き込め
「一国の人々を滅ぼすには、まずはそのルーツを断ち切ることだ」
―アレクサンドル・ソルジェニーツィン
ルーツを断ち切るにはどうするか?
答え――
記憶を破壊せよ。
自分は何者か、出自はどこかという認識を打ち消すのだ。
「自分たちが成し遂げたことを忘れ去るのは、自分たちが何者であるかを忘れ去ること」 だとロナルド・レーガンは辞任演説で説いた。
「アメリカの偉業を抹殺することは・・・アメリカ魂の風化に行き着きかねないことを肝に銘じていただきたい」
中世、オスマントルコはバルカンのキリスト教徒に血税を課した――5人に 1 人、男子を差し出せ、と。
親元から引き離され厳格なムスリムとして教育された少年たちは、狂信的精鋭部隊イェチェリとなって故国に侵攻、支配した。
現代社会における記憶消去の定石はオーウェルが 「ビッグブラザー」 の党是として示してくれた。
「過去を制する者が未来を制する。現在を制する者が過去を制する」 と。
過去の記憶を消去し何もかも忘れさせれば、空っぽになった魂に新たな歴史を詰め込める。
『1984』 のように。
国家の英雄を貶め名誉を汚せば、国民の士気をくじくことができる。
アイルランド独立運動は指導者チャールズ・パーネルと国民党前議員オーシーの妻との密通が暴露されるや一挙に失速した。
大リーグは 1919年、ブラックソックス・スキャンダルで揺れに揺れた。
名プレイヤー 「シューレス・ジョー」ジャクソンが絡んだとされるワールド・シリーズの八百長事件だ。
信頼の失墜は少年ファンが叫んだ有名な台詞、「嘘だと言ってよ、ジョー」 に表われている。
ニクソンの創出した 「ニュー・マジョリティ」 は、ウォーターゲートと、49州を手中に収めた正・副大統領の辞任によって粉砕された。
憎き政敵放逐のために勝者のあら捜しをするという戦法は 「人格攻撃政治」 の原型となった。
そうしたやり方は今ではアメリカ政治における標準手法 (マニュアル) となっている。
文化マルキストたちはこうした戦法を熟知していた。
彼らの 「批判理論」 が人格攻撃政治の手本となった。
後者は指導者個人に対する攻撃だが、批判理論は国家の歴史全体に対する攻撃だった。
さながら先祖の墓をあばき死体を冒涜するかのように。
現在、米国史を保管する多くの組織はビッグ・ブラザーの 「真実省」 の方針に沿って運営されている――
過去の栄光、偉大なる業績の記憶を消去し、代わりにかつて犯した罪を強調し、愛し崇拝していたものが実は忌むべき愚劣なものだったという新たな記憶を書き込んでいる。
この書き換え作業で生き残る往年の英雄はほとんどいない。
最終目標は、愛国心を粉砕し、国民を意気消沈させ、アメリカ (※ 国家) を解体すること。
つまり歴史が国民を一つにするのではなく、過去の被害者の子孫と加害者の子孫に分割することになる。
母を慕う気持ちは自然に芽生えるものだが、国家への絵異常は教えられなければ芽生えない。
子供は学習することによってのみ、自分の属する国家を知る。
第二次大戦前に生まれた世代は簡単に愛国心が芽生えたものだ。
ラジオ、映画、新聞、マンガ、会話、何もかもが一つのメッセージを伝えていた――われわれは善良で疑うことを知らない。だから真珠湾で奇襲を受けた。
多くの勇敢な米兵が彼の地で、あるいはバターン死の行進で命を落とした。
必ずや日本にこの借りは返してみせる、と。
今までにない連帯感がそこにはあった。
われわれは真の意味で一つの国にまとまっていた。
ただ、戦争に異論がないわけではなかった。
灯火管制のなか、夜毎議論を交わす声が響いた。
ドイツ軍はワシントンを爆撃するか否か、スターリンを援助するとはどういう了見か、アイゼンハワーとマッカーサーのどちらが殊勲甲か、ポーランドを見捨ててよいものかどうか、真珠湾で不覚をとった責任は誰にあるのか。
が、いずれにせよ 「正義の大戦」 は今なお歴史のなかで燦然と輝き続けている。
決着がどうあろうと、敵は悪の権化で、われわれは神の側にいた。
朝鮮戦争はまた別、トルーマン時代の不和を生む戦争だった。
とはいえヴェトナムと違い、北朝鮮や中国共産党が正義でアメリカが悪だと主張するような者はいなかった。
異論は、朝鮮戦争は 「間違いだらけの戦争、場所も時期も相手も不適切だった」 と言ったブラッドリー将軍の言葉に集約される。
大統領に就任したアイゼンハワーが朝鮮戦争を終結させ、紛糾していたヤルタの密約にけりをつけて始まった新・協調時代は 1963年 11 月 22日で幕を閉じた。
ケネディ大統領暗殺後、アメリカの伝説、歴史、英雄の破壊を目指して台頭したカウンターカルチャーはメディアという協力者を得、ほぼ完勝を収めた。
信頼の時代に育ったわれわれ世代は不信の時代で老いてゆく。
休戦協定を一切受け入れぬ敵の容赦ない砲撃を必死にかわしながら。
「自虐史」 とか 「戦後教育 & 日教組教育」 といったものが、民主党が政権をとったお陰で、あの 3年ちょっとの間に白日の下に引きずり出されたことは、日本国や日本国民にとって、非常に喜ばしいことでしたw
が、私は知らず知らずのうちに、それにとらわれ過ぎていました。
フランクフルト学派が、労働者の革命は時代遅れだ、これからは知識人や文化人を動かして国家の中枢に入りこみ、 “中から” 革命を起こすべきだとしたのは、別に日本だけのことではなく、アメリカで、ヨーロッパで、北欧でと、世界中においてだったことを、つい、忘れがちだったことを、上記の文章を書き写しながら、ひしひしと思い知らされました。
小学校の教室から 「偉人伝」 が姿を消し、妄想プロパガンダ・まんがの 『はだしのゲン』 が並べられた。それは日本だけのことではなかったのですよね。
ひたすら一つの考えに凝り固まった “良心的” 知識人、すっかり干からびている “進歩的” 文化人、そしてペンという刀で無差別殺人を喜んでいるメディア。三位一体となって 「国家」 を消去し、世界はひとつ、人類みな兄弟の理想を実現する。そうすれば、2500年の昔、戦いに敗れて国を失い、世界に放浪の身となったユダヤ民族が、各地で石もて追われることがなかった。
しかし、“彼ら” が躍起になればなるほど、世界の民族は自意識に目覚め結束を固くし、独立、国境封鎖の波が高くなってゆき、“他人” に石をぶつけて追い払おうとする。
そういえば、『ニューヨーク・タイムズ』 の日本支社は、『朝日新聞』 の社屋の一室にあり、しばしば朝日新聞の記者が記事を書いてるんでしたっけ・・・なんてことが一般に知られるようになった昨今、ミイラ化して干からびているプロパガンダに踊らされていたことに気づいた人たちによって、アメリカでもトランプ旋風が巻き起こっているワケですけれど、ミイラの呪詛もなかなかしつこくて・・・
『日本国憲法』 は第二次世界大戦に敗れた日本が、連合国の植民地期間中に発布されました。
『連合国極東委員会』 傘下の 「GHQ (連合国軍最高司令本部)」 を主導したのがアメリカだったので、しばしば 「GHQ=アメリカ」 と思いがちで、『日本国憲法』 もアメリカが作成したと捉えられていますが、『連合国軍』 の中にはソ連も入っていたし、アメリカでもルーズベルト政権時、ホワイトハウスの中に 200人以上の共産主義者 (フランクフルト学派) が入り込んでいて “中から” 操作していたことが明らかになっています。
当然、『日本国憲法』 の草案作成にも深くかかわっていました。
つまり、『日本国憲法』 はアメリカではなく、「フランクフルト学派」 が作成したのです。
国家を無力化し、国民の士気を奪ってロボット化するような仕組みになっているのは、今日の平和ボケと言われる日本そして日本国民の多くを見れば、一目瞭然 (^^;
「日本国憲法=平和憲法死守!!」 とやっている人たちが共産主義者たちである、ということも、それを立証していますねw
◆ ここでもう一度、フランクフルト学派 (トロイの木馬革命)
(http://natsunokoibito.blog.fc2.com/blog-entry-2464.html )
◆ 労働者の革命は古い。国家の中枢に入って意識革命をやってしまう。
(http://natsunokoibito.blog.fc2.com/blog-entry-1206.html )
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目 次
(http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2016-08-15 )
日本版まえがき
序として
第一章 西洋の遺言
第二章 子供たちはどこへ消えた?
第三章 改革要項
第四章 セラピー大国はこうして生まれた
第五章 大量移民が西洋屋敷に住む日
第六章 国土回復運動 (レコンキスタ)
第七章 新たな歴史を書き込め
第八章 非キリスト教化されるアメリカ
第九章 怯える多数派
第十章 分断された国家
著者あとがき
監訳者解説
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◆ (44) 第七章 新たな歴史を書き込め
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