2016.01.05
サウジとの国交断絶求め、大規模デモ イラク首都
(http://www.afpbb.com/articles/-/3072174 )
イスラム教スンニ派が大多数を占めるサウジアラビアで、反政府活動の背後にいた高名なシーア派
指導者が 2日に死刑執行されたことを受けて、4日、イラク首都バグダッドの外務省近くで
同指導者の支持者らが 「サウジアラビアとの国交断絶を求める抗議デモ」 を行った。(c)AFP
2016.01.06
サウジ東部でバス放火 処刑の宗教指導者出身地
(http://www.sankei.com/world/news/160106/wor1601060056-n1.html )
フランス公共ラジオによると、サウジアラビア東部州カティフで5日、武装した 4人がバスに乗り込み、
放火した。
警察は、けが人はなかったとしている。
カティフは、サウジが処刑し、イランとの断交につながったイスラム教シーア派指導者ニムル師の
出身地。
サウジは国民の多数がスンニ派だが、東部州ではシーア派が多く住んでおり、サウジとイランの
対立による治安悪化が懸念されている。
バスは国営石油会社サウジ・アラムコの労働者を乗せていたとみられる。
カティフでは、ニムル師の死刑執行が発表された 2日から連日、抗議デモが発生。
フランスのニュース専門局 「フランス 24」 によると、治安当局の発砲によりこれまでに 1 人が死亡した
ほか、デモを見ていた 88歳の子どもら多数が負傷した。(共同)
2016.01.05
説得に動く米…
IS掃討に影、バランス外交に陰り?
(http://www.sankei.com/world/news/160105/wor1601050063-n1.html )
4日、イラク中部カルバラで、サウジアラビアのサルマン国王のポスターを焼く
シーア派のイスラム教徒ら (ロイター=共同)
サウジアラビアがイランとの断交を発表したことを受け、オバマ米政権は双方に冷静な対応を求めて
いる。
イスラム教スンニ派大国のサウジ、シーア派大国のイランの宗派対立は、スンニ派過激組織 「イス
ラム国」 (IS) の 「掃討作戦」 や 「シリア和平」 に影を落としかねないからだ。
ケリー国務長官が説得に動いているが、サウジは 『核合意』 での米・イラン接近を強く警戒しており、
米国のバランス外交が奏功する保証はない。
アーネスト米大統領報道官は 4日の記者会見で、「サウジとイランの双方が中東情勢の緊張を緩和する
必要がある。米国は全ての当事者に自制を求めている」 と述べた。
また、双方に宗派対立をあおらないよう呼びかけた。
オバマ政権は 「IS」 を 「イスラム教をかたる暴力的過激主義の集団」 と位置付け、スンニ、シーア両派
がともに 「IS」 と戦う構図を作ることに腐心してきた。
そのため米軍主体の 「有志連合」 で 「IS 掃討」 の主要な役割を担うサウジにはシーア派高位聖職者、
ニムル師の処刑をめぐり慎重な対応を求めてきたが、警告は無視され、「懸念した結果」 (アーネスト氏)
である宗派対立が顕在化した形だ。
サウジ、イランの対立は 「シリア和平」 にも影響を及ぼすとみられている。
「シリア情勢」 でイランは (シリアの) アサド政権、サウジは (アサド政権) 反体制派勢力をそれぞれ
支援し、政権移行をめぐって激しく対立してきた。
それでも昨年 (2015年) 11 月、「新和平案」 に合意。内戦終結に向けて動き出すところだった。
アーネスト氏は記者会見で、イラン、サウジ両国が引き続き 「シリア和平」 に向けて建設的な役割を果た
すよう求めた。
国務省のカービー報道官も 4日の記者会見で、「スンニ派とシーア派の緊張が高まることは和平を前進
させる上で有益ではない」 とし、緊張緩和に取り組むよう促した。
『イラン核合意』 も両国関係の障害となりそうだ。
今月にも欧米が 「制裁解除」 に踏み切るとの見通しがあり、現状ではサウジの反発は必至だ。
関係回復には米国の役割が重要となるが、「対話を手助けするが、違いを克服するのは地域の指導
者にかかっている」 (カービー氏) という立場を示している。(ワシントン=加納宏幸)
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◆ サウジ・イラン断交 (14) メソポタミア時代から続く中東の覇権争い
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