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◆ 超大国の自殺 (5) 平等について ― 昔と今 (上)

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パトリック・J・ブキャナン著/河内隆弥訳
超大国の自殺
―アメリカは2025年まで生き延びるか?―

2012年11月5日発行 幻冬舎


第6章 平等か、自由か?


5平等について――昔と今


修正第 14条は、社会的、政治的、経済的な平等を図るものではなく、そうした記載はされていない。

1866年、これを承認した議会は、ワシントン DC の公立学校に人種隔離を導入した。

修正第 14条発行当時存在した 37州のうち 24州に、学校における隔離策が提案された。

1875年の市民権法には、DC と各州の人種隔離問題はまったく出てきていない。

プレッシー対ファーガソン事件 (1896年) で最高裁は、修正第 14条の違反ではないとして、人種隔離を支持した。



ワシントン DC では、公立学校の人種隔離は、プレッシ判決を覆したブラウン対教育局事件 (1954年) まで続いた。

しかし、ブラウン事件結果憲法に基づいたものではなかった

その判決社会学に従った

1954年 5月 13日付ニューヨーク・タイムズのジェームズ・レストンの記事のタイトルは、社会学的判断――裁判所、隔離規定の判断基準を、法よりも、心情、胸中におく、というものだった。



1960年代に至るまで、裁判所は、独立宣言、合衆国憲法、権利章典、「ザ・フェデラリス・ペーパーズ」、ゲティスバーグ演説の起草者たちも思い及ばなかった平等の概念を、憲法修正第 14条を利用して押しつけることなどは考えていなかった。

1960年代まで、平等とは、市民が同じ憲法上の権利を享受する、現存する法のもとに同じ保護が受けられる、ということを意味していた。

憲法も連邦法も、社会的、人種的、性別の平等を示現するものではなかった。

1960年代、人々はまだ存在していた隔離を終わらせるための、連邦政府の行動を支持したが、所得、報酬に不平等が生じることは、競争社会、自由社会においては不可避の事柄と理解していたのである。



1963年 ― 「自由の鐘を鳴らせ


1963年 8月、奴隷解放令の百周年にリンカーン・メモリアルで、マルチン・ルーサー・キングは米国史でも有数な演説の一つを行った。

しかしそのテーマは、平等についてではなかった。

平等は 2回触れられた。

最初は自由に関連して語られ、2回目は、かれがジェファーソンを引用したときにである。

   「わたしは夢見る。

   いつの日かこの国の国民が立ち上がって、『すべての人間が平等につくられている
ことは自明である』 とする
   信念の真の意味にしたがって生きるだろうことを」。




かの有名なワシントンの行進の目的は、「仕事と自由」 だった。

キングのスピーチの目的はその冒頭部分にあった。

   「本日、わが国の歴史のあかでも歳代の自由のためのデモンストレーションに参加できるということは、わたし
   もみんなとともに歴史に参加するという意味でたいへん幸せに思っています」。

キングは、フリーダム (自由) という言葉を 12回ほど使い、そのほか 「自由の鐘を鳴らせ」 と 10回繰り返した。



キングは自由という言葉で何を望んだのか?

それは「隔離という束縛から、そして、差別という鎖から」 の自由であり、「物質的繁栄の大洋に浮かぶ貧困という弧島」 からの自由だった。




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超大国の自殺
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第6章 平等か、自由か?
  ( 1建国の父たちの信じていたもの
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  ( 2アメリカは平等に関心を持っていたか?

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       (http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2015-12-23 )
  ( 4) 「われわれは・・・かれらを平等にはあつかえない
       (http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2015-12-23-1 )
  ( 5平等について――昔と今
       1963年 ― 自由の鐘をならせ
       ( )
       1965年 ―自由だけでは充分ではない
  ( 6) 「不平等こそ自然である
  ( 7ドードー
  ( 8試験の点数を平等に
  ( 9試験成績における世界のギャップ
  (10異端者の火刑
  (11政治的兵器としての平等


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