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(1737) 竹島を「聖地」にした韓国の甘え

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竹島を「聖地」にした韓国の甘え
筑波大学大学院教授
古田博司
2013.02.22
(http://sankei.jp.msn.com/world/news/130222/kor13022203220000-n1.htm )

◆古田博司(筑波大教授)
古田教授


冷戦期、朝鮮半島は
「共産主義勢力」と「自由主義勢力」とが拮抗(きっこう)する
バッファーゾーン(緩衝地帯)だった。

大国が直接接触する危機を避け、
「北朝鮮」と「韓国」という
小国同士が代理で思想戦・心理戦を繰り返す。

それでも小さな軍事衝突は避けられず、
世界規模の冷戦が終わってもそれは続き、
その度に両陣営の心胆を寒からしめてきた。



竹島.jpg
竹島(ピンのある所)



≪北をいかに自死させるか?≫



問題は、この小国たちが大国からの自立を試みたことにあった。

北朝鮮は、核・ミサイルの開発に特化して、武力発展を遂げた。

一方の韓国は外資を導入し、貿易に特化して、経済発展を遂げた。


北朝鮮はその結果、国内の生産体制が崩壊して、中国の経済植民地状態に陥った。

金を借りることもできず、買ってもらえる商品も作れない。

米国を核・ミサイルで挑発し、中国にたかる。

北朝鮮のバッファーゾーンとしての存在価値はゼロを超えてマイナスになった。


北を静かに自死させるにはどうしたらよいか。

今、周りの国々は密(ひそ)かにそう思い始めている。



韓国はというと、外資占有率と貿易依存度の異常に高い国になった。

利益を外国投資家に持って行かれる一方、
輸出を増やして国内総生産(GDP)の半分以上を賄う。

米国から金を借りて中国に商品を買ってもらう。

米中のバランサーになるというのが彼らの理想だったが、
現実には、どちらにもすり寄り、どちらにも内心の敵意を燃やすという、
一国バッファーゾーンとなった。

私が前に本欄で説いた「韓国の出島化」である。


韓国が一国バッファーゾーンとしての役割を全うするには、
順調な貿易、特に対中輸出を維持するか伸ばすかしなければならない。

だが、「アベノミクス」は円高を是正し、韓国のウォン安時代は終わることになる。

日本製品が安くなれば、わざわざ韓国製を買う必要がなくなるのも道理である。


また、米国は10年前から在韓米軍の削減を実行している。

韓国は安全保障への米軍の関与を維持しようとし、
韓国軍の指揮権引き継ぎを2015年末まで延ばしてもらった。


だが、在韓米軍の撤兵は続く。

代わりに、韓国の弾道ミサイル射程を800キロまで伸ばすことで米韓両国政府は合意した。



≪南には助けず教えず関わらず≫


貿易面で対中依存、安保面で対米依存が減じれば、
韓国は
済州島の海軍基地の完成後、中国船舶を引き入れる可能性がある。

バッファーゾーンであるよりもバランサーでありたいという意識が、
欠損を埋めようとするからである。


韓国の最も大きな誤認は、
地図上の大国に事大主義で仕えている限り、日本を敵に回しても構わない
という甘えであり、この甘えが
日本の防衛、ひいては、東アジア全域の安全保障に
重大な危機をもたらすということがあり得る。

従って日本は、あくまでも韓国をバッファーゾーンに固定するように
施策を練る必要がある。


とりあえず、
「助けない、教えない、関わらない」という3カ条で、
韓国の甘えを断ち切り、
バランサーが夢であることを自覚させることから始めたい。

経済で困っても助けない、
企画や技術を教えない、
歴史問題などで絡んできても関わらない。

これが日本にはなかなかできない。

努力が必要である。


「出島化」した韓国には内憂が付きまとう。

大財閥がGDPの70%余を稼ぎ出し、サムスン電子が22%を占める。

民族の行動パターンは李朝と同じ。

財閥企業のエリートが両班(ヤンバン)であり、一般人は常民(サンノム)だ。

常民はカードの束をトランプのようにし、消費して遊ぶ。

彼らの家計負債はGDPの80%に達した。



≪日本を敵に回さぬ朴槿恵氏≫


ヤンバン・サンノムの階級選別は大学入試という「科挙試験」で固定化され、
敗者復活戦のない、希望のない差別社会が生まれ、
自殺率は
経済協力開発機構(OECD)諸国随一となった。

次期大統領、朴槿恵氏のスローガンは
「幸せな国にします!」、
である。


周辺諸国が韓国に望むのは、
経済の現状維持と
突出しない政治行動であり、
「出島化」の推進である。

これには朴氏は適任だろう。

今、東アジアの政治指導者は
期せずして、全員、「良いうちの子」になった。

中国の太子党の習近平総書記、
韓国の朴正煕元大統領のお嬢様、槿恵氏、
日本の岸-佐藤-安倍家のサラブレッド、安倍晋三首相、
北朝鮮金王朝3代目の王子様、金正恩第1書記。

北朝鮮指導者には幼稚さの点で若干の問題が残る。

韓国の次期大統領は「良いうちの子」だから、
現大統領の竹島上陸のような
突拍子もない行動を取り、日本国民を一気に敵に回す大見えは
切らないだろう。


今日はその「竹島の日」だ。


北朝鮮には、
金王朝発祥の地で民族の聖地である白頭山(中国領は長白山)がある。


韓国には長く聖地がなかったが、
日本からもぎ取った竹島を、不当にも、「独島(ドクト)」と改名して
反日の聖地とした。

聖地には、北でも南でも詣でる人々が引きも切らない。

「ウソも通ればめっけ物」の国々である。

うっかり深く付き合ったり共生したりしてはならない。(ふるた ひろし)



◆竹島・女島(左)と男島(右).jpg
竹島。
女島(左)と男島(右)




   


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