東南アジアで
潜水艦の調達着々
中国海軍力増強に対処
2012.08.30
(http://sankei.jp.msn.com/world/news/120830/asi12083023010002-n1.htm)
東南アジア諸国では、ベトナムがロシアから購入した初のキロ級潜水艦が進水し、年内に引き渡されるなど、中国の海軍力増強に対処する潜水艦調達が着々と進んでいる。
ベトナムはロシアからキロ級潜水艦636MVを6隻、総額20億ドル(約1千572億円)で購入し、このうち1隻目が28日、ロシアのサンクトペテルブルクで進水した。航行試験を経て年内にベトナムへ向かう。残る5隻の建造と引き渡しは、16年までに完了する。
636MVはディーゼル潜水艦で、排水量2300トン、最高水中速力20ノット、最大潜行深度300メートル。水中騒音は118デシベルと、世界で最も静かなディーゼル潜水艦の一つと評価される。
ベトナム海軍の装備は、老朽化した北朝鮮製の小型潜水艦2隻に、フリーゲート艦とコルベット艦が計11隻程度と少ない。これに比べ中国は潜水艦60隻以上、駆逐艦など70隻以上を保有しており、軍事力の差は歴然としている。
このため、東南アジア軍事筋は「ベトナムの近代的な潜水艦保有が、中国の軍事戦略に及ぼす影響は小さい」とみる。ただ「ベトナムの潜水艦能力を考慮してこなかった中国海軍にとり、懸念材料であり、南シナ海での中国艦船の動向に、微妙な変化が生じるだろう」と指摘する。
一方、インドネシアは今月、韓国に潜水艦3隻を正式に発注した。生産技術の移転も伴い、最初の1隻は韓国、残りはインドネシアで建造される。1隻目は15年に引き渡される予定だ。
水陸両用車両を導入
中国を牽制
陸上自衛隊
2012.08.26
(http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120826/plc12082622520012-n1.htm)
防衛省が陸上自衛隊に水陸両用車両を導入するため、平成25年度予算案の概算要求に関連経費として約30億円を計上する方針を固めたことが26日、分かった。
アジア太平洋地域で覇権主義的な動向を強める中国を念頭に、島嶼(とうしょ)防衛を強化する狙いだ。
政府高官によると、導入を検討している水陸両用車両が、米軍に配備されている「AAV7」。
防衛省は数台を調達するとみられる。水陸両用車両は水上と陸上双方での走行が可能で、要員輸送の渡河や上陸に用いられる。
政府は平成22年12月に閣議決定した「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」で、中国の動向を見据え、南西諸島に沿岸監視隊を置くなど島嶼防衛の強化を明確に打ち出した。
だが、島嶼防衛任務を想定した装備は不十分で、現在、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」型にエアクッション艇(LCAC)が配備されているぐらいだ。
しかも、いったん敵部隊に侵攻された島嶼部の奪還を前提とすれば、島に上陸する際、現状では敵部隊の攻撃に無防備になることは避けられない。
このため、自衛隊内部で装甲の水陸両用車両の導入の可否が検討されてきた。
防衛省幹部は
「専守防衛の自衛隊が持つ必要はないといわれてきたが、いったん奪われた離島への上陸を想定すれば水陸両用車両が不可欠だ」
と指摘する。
陸自は21日から、西部方面普通科連隊(長崎県佐世保市)が米グアム島やテニアン島などの離島を利用し、米海兵隊の第3海兵遠征軍(沖縄)と島嶼防衛の共同訓練に入っている。
防衛省は、日米による共同訓練を充実させると同時に、装備面でも自衛隊独自の島嶼防衛能力を向上させ、急速な軍備増強と海洋進出を図る中国を牽制(けんせい)したい考えだ。
イラク中部ファルージャに向かう
米海兵隊の水陸両用車両=2004年4月撮影(AP)
AAV7(水陸両用車としての能力を有する装甲兵員輸送車)
(http://ja.wikipedia.org/wiki/AAV7)
運用国:
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(1572) 急速な軍備増強と海洋進出を図っている“中国”に対処する
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