『正論』2012年7月号より
国想う者へ
「マッカーサー証言」と
戦後アカデミズムの退廃
上智大学名誉教授 渡辺 昇一
東京大学名誉教授 伊藤 隆
東京大学名誉教授 小堀桂一郎
「占領利権者」を暴け
渡辺 このようにみてくると、マッカーサー証言の教科書掲載を許可しないのはどう考えても日本人の発想ではありません。あるいは、いまだに占領軍の検閲を気にしているのか(笑い)。
伊藤 占領終わらずの観がありますね。
小堀 終わっていませんよ。占領利権で利益を得ている勢力がある限り。
伊藤 いまも戦勝者だと言いたいのは、中国と韓国でしょう。
中国はソ連とともに崩壊した共産主義の神話に代わり、抗日戦争に勝利したと嘯(うそぶ)いて統治の正当性に利用してきました。
実際には日本軍と戦ったのは国民党(=中華民国。現在の中国=中華人民共和国はまだ存在していない)であり、日本軍は中国大陸では最後まで負けませんでしたから、これも神話に過ぎません。
GHQは在日朝鮮人とシナ人を「第三国人」と称して戦勝国人と同じ立場にあるとしました。だから、かれらは暴虐のかぎりをつくしたにもかかわらず、警察も手を出せなかった。
渡辺 そのタブーが、さまざまな在日の“特権”として長く残ってきたんですよ。
小堀 アメリカは、韓国、あるいは朝鮮半島は中国と切り離しておきたかった。やはり「Divide and Rule」です。
そのために、朝鮮半島に乗り込んだアメリカ駐留軍は「韓国(南朝鮮)開放のために来た」と言ったのです。まだ南北は分断されていませんでしたが、これが韓国人にすり込まれたのです。
伊藤 韓国人は「自分たちの力で解放した」と思いたかったわけですよね。
しかし韓国の独立運動は本当にちっぽけなものでした。その悔しさがいまだに残っている。その気持ちは分からなくもない。しかし、日本軍の慰安婦問題を批判するのはいかがなものか。
ベトナム戦争で韓国軍は慰安婦を連れて行ったうえに、現地の女性に産ませて放置してきた子供のことがいまも社会問題になっています。その数は数千とも数万とも言われています。
渡辺 慰安婦問題は、「強制連行はなかった」とどれだけ学術的に証明してもむだです。
2007年、アメリカ連邦議会下院の対日非難決議を主導したマイク・ホンダ議員は、
「強制連行はなかった」
という反論に
「日本の官房長官が認めているではないか」
と開き直りました。
河野談話がある限り、
日本の名誉は
回復しません。
河野洋平を国会に引き出して、正式に謝させるべきです。そして桐花大綬章は一度返してもらう。NHKも放送せざるを得ないようなことをするべきです。
さらにいえば、政権党の政治家が毎週1回30分間ぐらい、NHKのゴールデンタイムの放送で、マッカーサー証言について解説してもらう。
伊藤 東京裁判に先立って、GHQがNHKのラジオ放送で日本の「戦争犯罪」「戦争責任」を流し続けた『眞相はかうだ』『眞相箱』をやり返すということですね。
渡辺 そう。それで日本人は自虐史観を植え付けられたのだから。
今回東京都がマッカーサー証言を教材としたことは、日本が自虐史観に縛られて国家体制まで歪めてしまった「戦後」から脱却する起爆剤になり得ます。
昨年、育鵬社の歴史や公民の教科書の選択率が、前回(扶桑社版)から10倍以上の約4%に達したことも、自虐史観一掃の機が熟しつつあることをうかがわせます。
小堀 そうですね。正規の中学・高校の歴史教科書にもマッカーサー証言を、その歴史的意義の解説も含めて是非とも掲載したい。
ただ、現在の教科書問題の深刻さは、伊藤さんがおっしゃった「戦勝国」の理屈がまかり通っていることです。
日本人は客観的な事実を重視するのに、シナ人や韓国人にとっては、事実よりも政治的必要性が優先なのです。
日本の教科書であるのに、その政治的必要性によって記載が歪められている。近隣諸国条項もその一例です。
伊藤 ただ、やはり根拠があることに文句は言えないはずなのです。
今回、育鵬社の歴史教科書では日本統治時代に朝鮮半島で人口や学校、農地が急速に増えて社会が発展したことを表で示し、検定も通りました。
統治の負の側面も記述しましたが、平成7年には江藤隆美総務庁長官(Wikipedia)が
「植民地時代、日本は悪いこともしたが、いいこともした」
と発言して辞任に追い込まれています。
正負の両面記述は近隣諸国条項に照らせば検定意見がついてもおかしくない。やはり新しい記述を増やす努力を積み重ねるべきです。
もちろん、中国や韓国のエージェントとなって、日本の教科書とは思えない内容に歪めている人間を糾弾することも必要です。
渡辺 先程話したように、調査官にマッカーサー証言の削除を命令したのは誰か、いかなる勢力が調査官に「重し」をかけたのか、固有名詞を挙げていくべきでしょう。
伊藤 そうしないと次回の教科書検定でも同じことが起きます。
渡辺 これは国会でしかできませんが、頑張ってもらえる国会議員はいますよ。
小堀 われわれの主張の理解者は増えてきておりますからね。
もう一つ、東京裁判史観擁護派、守旧派が支配するアカデミズムの世界も変える必要があります。
学界がマッカーサー証言を認めたとなると、教科書に必ず掲載できるでしょう。
利権が支配するアカデミズムも、東京裁判を批判するほうが就職口にも困らないという今とは逆の空気ができれば変化するでしょう。
そこで今年4月、『日本国史学会』という新しい歴史学会を立ち上げました。理事長は東北大学名誉教授の田中英道先生です。
若い研究者たちが、アカデミズムを支配する東京裁判史観に楯突く意見であっても自由に発表出来る場を設けたいという思いからです。
ただ、学会自身が彼らを庇護できるための力も持たないことには、本当に自由な発言の場を確保することにはなりません。そこが苦心のしどころです。
渡辺 いろいろな方面に目を向けながら、あらゆる手段を用いてやっていきましょう。相手がたじろぐような新しいスローガンをどんどん作っていくことも有効でしょう。
東京裁判史観を押しつけるのは「敗者利得者」。「アメリカの手先」と言ってやれば、共産党もやりにくい(笑い)。←www手を叩いて笑っちゃいました(^^
小堀 東京裁判史観擁護派は「占領利権者」ですから。その利権者が大勢を握っている現状を覆す。やれないことはないと私は希望を持っています。
渡辺 相撲でいえば、ここが徳俵です。真実は強いということを忘れず、踏ん張れば逆転できるはずですよ。
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(1534) ゴミを吹き飛ばしてる“ヤカラ(輩)”を糾弾しよう(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
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