AVENGED SEVENFOLD ~ This Means War (2013 - Live 2014)
【経済インサイド】
サウジ・イラン断交はやらせではないか!?
原油価格の下落基調に
「産油国が一芝居打った」 との見方も…
2016.01.21
(http://www.sankei.com/premium/news/160121/prm1601210003-n1.html )
世界の火薬庫と恐れられる中東がサウジアラビアとイランの国交断絶で揺れるなか、国際的な原油
価格が 「われ関せず」 とばかりに下落を続けている。
ペルシャ湾周辺で緊張が高まれば、原油の安定供給に支障が出るリスクから上昇圧力が強まるもの
だが、中国の景気減速による原油余りの影響が上回っている状態だ。
市場筋では原油安に業を煮やした産油国の “瀬戸際戦術” が見透かされ、不発に終わったとの見方も
一部でささやかれている。
◇
「産油国の経済低迷や石油開発の停滞などさまざまな影響が出る。動向を十分注視したい」。
林幹雄経済産業相は 15日の記者会見で原油価格の急落に強い警戒感を示した。
国際的な指標となるニューヨーク原油先物相場の米国産標準油種 (WTI) は、12日に節目となる
1 バレル=30ドルを割り込み、19日には一時 27ドル台まで下落して 2003年 9月以来約 12年 4カ月
ぶりの安値水準を記録した。
100ドル前後で推移してきた原油価格が下落に転じたのは 2014年半ばから。
シェール革命の影響で北米の原油生産が急増し、世界最大の消費国である米国の原油輸入量が
激減、世界で原油余りが起きたのが原因だ。
これまで下落局面では石油輸出国機構 (OPEC) の加盟国が協調して減産を行い、価格調整に動いて
きたが、昨年 12月の総会でも減産を見送った。
盟主サウジなどを中心に、減産することでシェアをシェールオイル企業に奪われることを危惧する声が
強いからだ。
シェールオイルは従来型の油田に比べ生産コストが高く、採算ラインは 50 ~ 70ドルといわれる。
サウジには、価格下落を放置してコスト競争に持ち込めば、シェール企業が音を上げて倒産するだろう
との思惑がある。
だが、原油安は収入を石油輸出に頼る産油国の財政も直撃しており、財政基盤が弱い南米
ベネズエラがデフォルト (債務不履行) の危機にさらされるなど OPEC とシェールの我慢比べが
続いている。
◇
どちらが先に根負けするのか。
世界の注目が集まる年明けに起きたのが、イスラム教スンニ派の大国サウジとシーア派国家イランの
国交断絶だった。
サウジは 1 月 2日、国内でのテロに関与したとして死刑判決を受けたシーア派の有力指導者ら 47人
を処刑。
イランの首都テヘランでは抗議する群衆が 3日未明にかけサウジ大使館を襲撃するなど、スンニ、シーア
両派による宗派対立が拡大し、サウジは同日、イランとの断交を発表した。
産油国間で緊張が高まれば原油の生産・出荷に支障が出る不安から原油価格には上昇圧力が
かかる。
世界最大のチョークポイント (重要な交通路) といわれる 「ホルムズ海峡」 はサウジとイランに囲まれて
おり、機雷の敷設による海上封鎖にまで発展すれば、原油の 8 割を中東からの輸入に頼る日本を始め
多くの消費国は大打撃を受ける。
だが、原油価格はセオリー通りに動かなかった。
WTI は 4日こそ約 1 カ月ぶりの高値となる 1 バレル= 38.39ドルまで上昇したものの、その後は
売りが優勢となり、底値が見えない状況となった。
油価急落を引き起こしたのは世界第 2位の消費国である中国の景気減速だ。
上海などの証券取引所では、相場の急変動を防ぐため 4日に導入したばかりの緊急の取引停止措置
(サーキット・ブレーカー) の運用がとりやめられるなど混乱が広がり、中国を震源地にした世界同時
株安に拡大。
チャイナリスクが原油安を誘引し、財政運営に打撃を受けた産油国のオイルマネーが株式市場から
逃避してさらなる株安を産む悪循環に陥った。
そんななか、市場では産油国が原油価格上昇を狙った “賭け” に失敗したとの観測も出ている。
ニューズウィーク日本版のコラムではサウジとイランの断交を 「一種のやらせ」 と指摘。
シーア派指導者の処刑報道後、テヘランのサウジ大使館襲撃や断交までの展開が速すぎるとして、
「緊張を相互に演出」 し原油価格の上昇を図ったと分析した。
国内の市場関係者も 「噂レベル」 としながら、こうした見方が一部であることを認める。
ロシアのシリアに対する軍事介入も、地政学的リスクをあおり原油価格を高値誘導したい思惑が
あったと指摘される。
産油国は、盟主サウジですら巨額の財政赤字に苦しみ、水道や電気料金の値上げに踏み切るなど
追い詰められている。
シェール側への “負け” 宣言となる協調減産を避けながら、産油国が油価引き上げを図ったとのシナリオ
もあながち茶飲み話とはいえない。
とはいえ、緊張はさらなる緊張を呼び、事態は思わぬ方向へ展開する。
イランは 7日、内戦状態が続くイエメンにある大使館がサウジの空爆を受けたと発表。
サウジ側は 「大使館付近で軍事行動を行っておらず、イランの主張は事実と異なる」 と反論するなど、
中東の混乱が拡大している。
石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (JOGMEC) の野神隆之主席エコノミストは、ウクライナ危機の際に
ロシアへの経済制裁に慎重だった欧州連合 (EU) が、親ロシア派武装勢力の関与が疑われるマレー
シア航空機撃墜をきっかけに制裁に踏み切ったケースを例に、「突発的なことが起きかねない」 と
危惧する。
特にサウジ東部の油田地帯はシーア派住民が多く、処刑された宗教指導者が強い影響力を持っていた。
ここで住民と治安当局の衝突や生産施設の襲撃などが起きれば、原油の生産・出荷が脅かされるリスク
は飛躍的に高まり、原油価格が上昇に転じる可能性もある。
原油価格の上昇は、日本国内のガソリン価格や電気料金などの値上げにもつながるだけに、過度に
変動すれば国民生活や企業活動にダメージを与える。
サウジとイランがどう落としどころを見つけるのか、油価の動向とともに当面は気を抜けない日々が
続きそうだ。(田辺裕晶)
AVENGED SEVENFOLD = A7X (アヴェンジド・セヴンフォールド)
(Wikipedia )
1999年にカリフォルニアで結成されたヘヴィ・メタル・バンド。
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◆ 原油価格の下落 ・・・、サウジ・イラン断交はやらせ?!
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