2015.05.13
米・湾岸 6カ国首脳会議 サウジ国王ら欠席へ
米のイラン政策に不満
(http://www.sankei.com/world/news/150513/wor1505130038-n1.html )
トップ参加 2カ国
オバマ米大統領は5月 13、14の両日、『湾岸協力会議』 (GCC) に加盟するサウジアラビアなど
6カ国の首脳らとワシントン近郊で会議を開催するが、サウジアラビアは急遽 (きゅうきょ)、
サルマン国王の欠席を発表した。
オバマ政権はイランをめぐる 『GCC』 側との 「亀裂」 を緩和する狙いだったが、トップの出席は
2カ国にとどまる見通しで、ぎくしゃくした関係を見せつけた格好だ。
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オバマ大統領は 「イランの核開発」 をめぐる 「枠組み合意」 直後の 4月初め、合意に反発する
『GCC』 諸国の首脳を招いて 「対イラン政策」 への理解を求める意向を示していた。
イランと欧米などが、6月末を期限とする最終合意に至れば、イランの影響力拡大と地域の不安定
化を懸念する 『GCC』 側の不満がいっそう強まり、オバマ政権との溝は深まる。
イエメン情勢では、イスラム教シーア派系武装組織の 「フーシ派」 を支援するイランと、湾岸
諸国との 「代理戦争」 の様相を呈し、そのはざまでオバマ政権は深入りを避けてきた。
一方、イスラム教スンニ派過激組織 「IS (イスラム国)」 への掃討作戦では、湾岸諸国の協力
が引き続き不可欠だ。
ここでもイランは、IS (イスラム国) と敵対する形で関与し、米国や湾岸諸国とは “共闘” する構図
である。
こうした複雑な情勢を踏まえオバマ政権は、イランと湾岸諸国とを両にらみしながらのバランス外交
を余儀なくされており、今回の首脳会議もその一環だ。
しかし、サウジアラビア政府は 5月 10日になって、首脳会議に出席する予定だったサルマン国王
が訪米を取りやめ、代わりに内相を務めるムハンマド皇太子らが出席すると明らかにした。
直前の欠席発表は異例で、米政府がオバマ大統領と国王との個別会談が、5月 13日に行われると
発表した直後のことだった。
欠席の理由についてサウジアラビア政府は、首脳会議の時期がイエメンでのサウジアラビアなどに
よる空爆の停止期間や、サウジアラビアの首都リヤドで開かれる 「国王人道支援センター」 の開設
式典と重なるためだと説明している。
だが、オバマ政権のイラン政策に対する 「明らかな不満の表れ」 (米紙ニューヨーク・タイムズ) との
観測は絶えない。
『GCC』 6カ国中で出席する首脳はカタールとクウェートだけの見通しで、政権の中東政策は剣が峰
に立たされている。(ワシントン=青木伸行)
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◆ サウジ・イラン断交 (2) イランの核開発をめぐる 「枠組み合意」 に反対する湾岸諸国
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