次世代エネルギーになるか?!
米、天然ガスのパイプライン爆発:巨大な火柱
2010.09.13
(http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2010091303&expand#title )
(National Geographic )
カリフォルニア州サンブルーノで、燃え盛る炎に燃焼抑制剤をまく小型機(9月9日撮影)。
AP通信によると、9日の夜にガス管が破裂し、高さ約300メートルにおよぶ巨大な火柱が上がった。
その結果発生した火災により、サンフランシスコ南部の郊外では翌朝までに少なくとも6名が死亡した。
ガス管破裂の原因はわかっていない。
住民のボブ・ペレグリーニさんは爆発の様子を、
「まるで生き地獄だった。これほど巨大な火柱は見たことがない」
と話す。
天然ガスの二酸化炭素排出量は、石炭や石油の2分の1くらいなのですが・・・
ドイツの風力発電に冷凍魚が協力?
2010.04.05
(http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100405001&expand#title )
ドイツ、北海沿岸のクックスハーフェン、嵐の中で回転する風力タービン。
風力発電による電気を蓄えることは難問とされてきた。
強い風が吹く北海沿岸にあるドイツの小都市クックスハーフェンには魚と風が豊富にある。
この2つの豊かな資源をうまく組み合わせることで、ドイツの再生可能エネルギー推進の足かせとなっている問題を解決しようという新しいプロジェクトが行われている。
ドイツの電力会社は風力で発電した電気を蓄える場所を必要としている。
そしてクックスハーフェンで解決策として期待されているのが冷凍魚である。
再生可能エネルギーが抱える最も厄介な問題の1つは、風力発電や太陽光発電による発電量が一定しないことだ。
顧客から安定した予測可能な送電を期待されている電力会社にとっては頭痛の種となっている。
ドイツでは電力の7%を風力発電が占め、これは世界でも最高水準だが、その再生可能エネルギー先進国ドイツにとって特に解決が急がれる問題である。
ドイツの電力会社EWEの研究者ボルフラム・クラウゼ氏は、
「風力エネルギーが大量に得られるときもあれば、総電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合が落ち込むときもある。風力エネルギー生産量の変動を抑える必要性があり、魚の冷凍貯蔵庫で解決できるかもしれない」
と話す。
同氏はクックスハーフェンで行われている実験プロジェクト「eテリジェンス(eTelligence)」の責任者でもある。
ドイツ政府はこのプロジェクトの費用約2000万ユーロ(約25億5千万円)の半分を負担している。
クックスハーフェンの倉庫会社エルビン・ゴース(Erwin GOOSE)がエルベ川の河口に所有する容積約15万6千立方メートルの倉庫には、北海で操業する漁船の漁獲物が積み下ろされて冷凍保存される。
通常、倉庫内の温度は摂氏マイナス20度に保たなければならない。
ところが、同地の風車が稼働している時には摂氏マイナス30度という極低温まで下がる。
このような極低温にまで下がることによって、無風で発電できない場合に備えた“蓄え”(電力を消費しなくてすむ時間)が生じる。
徐々に温度が上昇しても魚の冷凍状態を維持できる程度の低温が保てるのである。
「消費電力を減らしたわけではない。低料金の時にまとめて電力を使用しているだけだ」
と、エルビン・ゴース社のテクニカルディレクターであるグンター・クリンス氏は話す。
夏になると、断熱効果の高いこの倉庫内の温度は冷却装置を停止した状態で24時間につき摂氏1.1度ほど上昇する。
冬場は温度の上昇のスピードが夏の約半分になる。
つまり季節によっては、冷凍の魚を段積みにした倉庫の棚には冷凍を1週間行ったのと同じだけのエネルギーが蓄えられる計算になる。
2008年11月に開始されたこの実験プロジェクトは、エルビン・ゴース社の倉庫以外にも、あらゆる電力消費者と電力供給業者とをインターネットで繋ぐことを目的としている。
エネルギーの消費状況を1秒間に複数回モニターし、その情報をiPod touchに送信するスマートメーターが地元の各家庭に配布されている。
下水処理施設や貯水施設など、現地の大口電力消費者がプロジェクトに参加して、風力の大きさに応じて電力使用量を調整する試みを行っている。
高度な通信ネットワークを使うことで、利用者は電気料金が低い時や電力の利用を控えるべき時を知ることができる。
「電力使用量の測定と情報をコントロールするインフラを構築することで、電力に関するすべての情報をすべての関係者に提供できるようになった」
とクラウゼ氏は説明する。
この「eテリジェンス」のようなプロジェクトによってエネルギーの浪費によるコストの無駄を削減できるのではないかとドイツでは期待されている。
ドイツには、再生可能エネルギーの供給業者に対して風力や太陽光で発電した電力の供給価格を保証する制度がある。
この施策は、ドイツの再生可能エネルギー産業の発展を後押ししてきた一方で、石炭火力発電などから電力が安定的に供給されることを前提としたシステムとどう調和させるかが課題となってきた。
「現在のところ、送電網の電力が余っている場合は風力発電所の稼動を休止している」
と、スウェーデンの大手電力会社バッテンフォールのイノベーションマネージャーであるオリバー・ワインマン氏は明かす。
つまり、発電していない風力発電施設のコストが利用者の電気料金に事実上含まれているのである。
「これは好ましい状況ではない。風力発電による電力を無駄なく供給する解決策が必要だ」。
「eテリジェンス」のような試みは各地で広がりつつある。
EWEのクラウゼ氏によると、クックスハーフェンの倉庫のオーナーたちも最初は懐疑的だった。
しかし、休みなく通電させるよりも風力発電量のピーク時に集中的に冷却したほうがコスト削減につながることがわかると、このプロジェクトに積極的に参加するようになったという。
クラウゼ氏とクリンス氏は、2011年に倉庫でどれだけのコストを節減できるか観察することにしている。
「実際の節減コストを見てみる必要がある。しかし、いずれにせよ風力で発電した電力を蓄積しておけるのは良い解決方法だ。なにしろ外には風がたくさん吹いているんだから」。
風力発電の犠牲になるコウモリたち
2010.09.16
(http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100916001&expand#title )
環境に優しく静かでシンプル、しかも永久に再生可能な風力は、グリーンエネルギーの究極のシンボルといえるかもしれない。
ところが、高速で回転するブレード(羽根)の予期せぬ副作用が明らかになってきた。
日没後に多数のコウモリが命を落としていたのだ。
最も大きな影響を受けているのは、渡りの習性があるコウモリ数種だろう。
専門家によると、7月~9月後半の渡りの季節に被害が最も多くなるが、それ以上に深刻な事態も考えられるという。
ただし、希望がないわけではない。
強力な超音波を発するスピーカーでコウモリを追い払ったり、コウモリが最も活発なときだけ風車を止めたりする解決策が提案されている。
風車とコウモリの関係が明らかになったきっかけは、アレゲーニー山脈にあるバックボーン山のマウンテニア風力エネルギー・センター(Mountaineer Wind Energy Center)だった。
2003年、風車によって命を落とす鳥を調べていた生物学者が、400匹近くのシモフリアカコウモリとアカコウモリが死んでいるのを発見した。
そして間もなく、アメリカ、ウェストバージニア州トーマス近郊のセンター周辺だけで、年間1400~4000匹のコウモリが死んでいると結論づけられた。
以来、コウモリの専門家は欧米各地の風力発電所に注意を呼び掛けている。
もちろん鳥の命も心配だが、コウモリの問題はもっと深刻かもしれない。
理由は不明だが、長距離を移動する習性があるコウモリの種は高くそびえる風車に引き寄せられているようだ。
風車を木と間違えるのか、高く白いタワーに群がる虫を捕らえようとしているのか。
あるいは、単なる好奇心かもしれない。
風車のブレードの回転速度は、先端で時速320キロを超えることがある。
多くのコウモリはブレードに近づき過ぎて命を落とす。
直接ぶつかる個体もあれば、ブレードの後ろにできた低圧部分に吸い込まれ小さな肺や心臓が破裂してしまう場合もある。
増え続ける風車に比例して命を落とすコウモリの数も増加している。
ただし周辺のコウモリの数がそもそもわからないため、何匹犠牲になっているかを正確には把握できていない。
夜行性のコウモリは、鳥のように数えることが難しいのだ。
その結果、風車がコウモリ全体に与える影響、さらには保護対策の効果がわかりにくくなっている。
アメリカ、テキサス州オースティンに拠点を置くコウモリ保護団体バット・コンサベーション・インターナショナルのプログラム責任者エド・アーネット氏は、
「被害は減少傾向にあるのか、それとも全滅を10~15年遅らせているにすぎないのか、現時点ではわからない」
と話す。
「しかし、放置していたらコウモリが持ちこたえられないのは確かだ」。
その後、新たな研究が進み、渡りの習性があるコウモリをブレードから保護できる可能性も見え始めた。
複数の手法で実地試験が行われ、今のところ有望な結果が出ている。
その一つが、風車にスピーカーシステムを設置し、超音波のノイズでコウモリを混乱させたり、いら立たせたりするというものだ。
超音波は周波数が高く、人間の耳には聞こえない。
「簡単に言えば、コウモリを妨害する作戦だ」とアーネット氏は説明する。
「ホワイトノイズで満たして、居心地が悪く、方向感覚を失わせるような空間を作り上げる」。
これまでの実験では、1台あたり2万ドル(約160万円近く?!)のコストが掛かったものの、命を落とすコウモリの数が20~53%減少した。
しかし、超音波システムには少なくとも2つの問題がある。
まず、最新型の風車のブレードが回転する領域はフットボールの競技場ほどの長さがあり、超音波が効果的に届かないこと。
次に、コウモリやほかの野生生物を絶えず超音波にさらした場合の長期的な影響がまだはっきりしていないことである。
アーネット氏のもう一つの実験はシンプルで、コウモリが最も活発なときに風車を止めるというものだ。
同氏は間もなく公開される論文で、渡りの季節中、コウモリが最も好む晩夏の暖かい夜に風車を止めるだけで、命を落とすコウモリの数が年間44~93%減ったと報告している。
この条件だと風も弱く発電に向いていないため、年間の発電量の0.3%しか損失が出ないというメリットもあるという。
太陽光発電、コスト低減の見通しは?
2010.11.08
(http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20101108003&expand#title )
テルル化カドミウムを原料とする薄膜太陽電池。
アメリカ、ニューヨーク州ニスカユナにあるゼネラル・エレクトリック社(GE)の
グローバル・リサーチ・センター本部で研究が進められている。
従来のシリコン太陽電池に比べ低コスト化を実現できる。
太陽は計り知れないパワーを持っている。
そのほとんどは宇宙に消えてしまうが、理論的には地球に届く約1時間分のエネルギーだけで世界中の人々が1年間暮らしていける。
それだけの膨大なエネルギーをすべて活用できたらと誰もが考える。
しかし、太陽エネルギーを吸収して電気に変換するには、他の電力に比べ非常にコストがかかる。
だが、太陽光発電のコストはここ10年で下がり続けており、普及も進んできた。
10年前、年間2万5000台にも満たなかったアメリカの太陽電池モジュールの出荷台数が、2008年では50万台を超えるまでに急成長した。
だが、先行きは楽観できない。
2008年のアメリカの太陽光発電量は、国内の年間消費電力の0.1%にしかならなかった。
太陽光発電大国であるドイツでも、太陽光発電のシェアは他国に比べ飛び抜けてはいるが、国内の年間総発電量の1.1%にすぎない。
だが将来のエネルギー構成において、太陽エネルギーが重要な柱の1つになると専門家の意見は一致している。
ただし大規模な発電システムが、既存の電力と張り合えるまで成長する時期については意見が分かれている。
実のところ、太陽光発電の実質コストすらコンセンサスが無いのが現状のようだ。
シャツ1枚でも型や購入場所によって値段が違うように、太陽光発電のコストも使用するテクノロジーと設置場所によって変わってくる。
まず設置場所による日照条件の差異が第一に挙げられる。
「だがそれだけではない」と、米国エネルギー省(DOE)が管轄するアルゴンヌ国立研究所の科学者セス・ダーリング氏は言う。
発電コストは通常、新しい発電設備の建設費用を回収するためには、いくら電気料金を請求する必要があるかという考えが基になっている。
太陽光発電も同じで、コストを求めるには、システムの性能や寿命、今後30年の日射量といった要素を推測する必要がある。
だいたいの線までは出るが、そこから先は人によって異なり正解に至らないのが現状だ。
しかし、太陽光発電のコストは高いという点では概ね一致している。
米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)の発表によると、新世代の発電テクノロジーの中で最もコスト高なのが太陽光発電で、料金は1メガワット時あたり約396ドルになる計算だという。
風力発電システムにかかる総コストの2倍を上回り、従来型の化石燃料発電の4倍近くにもなる。
ただしこの見積は、電力会社などが所有する大規模な太陽光発電設備を対象にしている。
一般家庭に設置した場合は、大量購入・設置のメリットを得られないので、コストはさらに高くなる。
太陽電池のほとんどはシリコン製だが、原材料の精製に大量の電力を消費するため、製造コストが割高になるという欠点がある。
低コスト化を実現する新素材の開発が進められており、特にテルル化カドミウムという化合物半導体は、シリコンよりも安く薄膜太陽電池を製造できるとして期待を集める。
ただし、試作品の成功が大量生産へ直結するとは限らないため、市場に出回るまでには時間を要するだろう。
では、一般家庭用の太陽光発電装置で元が取れるのはいつになるだろうか。
コスト自体がはっきりしないため、残念ながらいつとは一概に言えない。
石炭や天然ガスのコストの高騰も考慮に入れて、米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)は、2017年までに太陽光発電の発電コストが既存の電力料金と同等程度になると予想する。
一方、前出のダーリング氏は、アメリカで何百ギガワット単位の太陽光発電が同料金で実現するのは、早くても2025年と予測している。
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(1638) 次世代エネルギーになるか?<シェールオイル・風力・太陽光>
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