一筆啓誅 NHK殿
（１） 感動した三月十一日放送の歌劇『古事記』
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（２） 若い世代のために再放送すべし
(http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2012-06-19)
（３） 「日本人は何を考えてきたのか」に見る恣意
(http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/)
（４）巧妙な騙しのロジック－無視された尊皇意識
(http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/2012-06-19-2)
（５）日本といふ国や天皇が本当に嫌ひな人々
(http://hawkmoon269.blog.so-net.ne.jp/)
『正論』2012年5月号より
一筆啓誅 NHK殿
皇學館大学非常勤講師
本間一誠
赤い地下水脈の称揚に加担
番組の初めの方で、土佐の民権家植木枝盛の憲法草案について、
地方自治権、言論出版の自由権に加へ、政府への武器を取っての抵抗権まで入つてをり、時代に先んじた業績
として高く評価される。
空想的としか思へないこの草案も、「皇帝貴族及び摂政」の規定がやつと五番目に出て来るといふこともあり、国家解体を目指す左翼にとつては、彼らの歴史を構築するには格好の材料なのであらう。
これについては
「彼（※植木枝盛）は変革期の一煽動家であつて、深く遠く慮つて法案を練つたわけではなく、それができるほどの法学者でもなかつた。彼（※植木枝盛）の作つたのはつまり民権熱文学とでも評すべきだらうか」（村尾次郎『真景明治憲法制定史話』明治神宮）
との極めて妥当な批評がある。
また、番組では昭和四十三年に五日市の旧家の土蔵から発見され、色川氏が発掘して世に紹介した千葉卓三郎の私擬憲法草案「五日市憲法」についても触れられる。
この草案は徹底した人権保障の規定を設けてゐて、国民の権理や立法権などの規定は全体の５０％を越え、現在の日本国憲法にも匹敵する先駆性があると称揚されている。
読んでみたがこの時代の民権家の憲法草案にほぼ等しく共通してゐるやうに、第一篇は「国帝」として、帝位相続、摂政官、国帝権理がきちんと定めてある。
当時の民権家にとつては敵はあくまで有司専制政府であり、その尊皇意識から天皇こそは民権の守護者と確信されてゐたからである。
それは当時の諸文献を見れば明白だ。
因みに第一篇第一章は
「日本帝国ノ帝位ハ神武帝ノ正統タル今上帝ノ子裔ニ世伝ス」
となつてゐる。
これについても
「民衆憲法として秀逸ということで評価喧伝された。しかし内容的には格別特色のあるものではない。（略）権利条項が多いのは整理されていないからであらう」（石田圭介著『近代日本政治思想小史』翔雲）
といふ批評が当つてゐよう。
最後に樋口氏は、
これら自由民権運動の中で生まれた憲法草案は現憲法に繋がる地下水脈であり、戦勝国が押しつけた憲法であるからこれはご破算にしようなどといふ議論はとんでもない
と言ふ。
そして
敗戦後、憲法学者鈴木安蔵が中心になつた民間の「憲法研究会」において、植木枝盛ら民権家の憲法私案を参考に民間草案が書かれ、GHQに提出されてこれを参照しつつ日本国憲法のGHQ草案がまとめられた
と語る。
鈴木安蔵については昨年出た「戦後日本を狂わせたOSS『日本計画』」（田中英道著・展転社）に詳しい。
鈴木は京大時代に治安維持法で逮捕された共産主義者で、戦後は日本に来たコミンテルンの工作員ハーバート・ノーマンと緊密な連絡があつた。
赤い地下水脈を臆面もなく称揚する学者を出演させるNHKなのである。
（三月十七日）
コミンテルン
(Wikipedia)
ロシア語: Коминтерн
英 語: Comintern
共産主義政党の国際組織。
別名： 第三インターナショナル、共産主義インターナショナル、国際共産党。
「共産主義のインターナショナル」という意味の
Коммунистический Интернационал： コムニスチーチェスキイ・インテルナツィオナール
Communist International： コミュニスト・インターナショナル
の略称。
1919年3月に結成され、1935年までに7回の大会を開催した。
前身の組織として第一インターナショナル、第二インターナショナルが存在する。
国際組織
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共産主義
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国際組織： 無し
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国際組織：（※）社会主義インターナショナル
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