インドの風力エネルギー発電能力が、これまでの推定よりはるかに大きい可能性が、最近の市場再評価で明らかになった。
インドは現在、風力エネルギー技術センターの分析に準拠し、陸上における潜在風力発電量を、約1億キロワットと想定している。
だが最近、中国やドイツなどが風力発電量の再評価を行ったことに触発され、独立系研究チームや米ローレンス・バークレー国立研究所が、最新の機器・技術を考慮して詳しく分析した。
専門誌「再生可能エネルギー」に発表された論文によれば、インドの風力エネルギー専門家ジャミ・ホサイン氏が、地理情報システム(GIS)プラットフォームを使って分析したところ、潜在発電量は、20億キロワットと大幅に増加。
さらに、LBNLの分析では30億キロワットと、現在の想定を30倍も押し上げる結果が出た。
ホサイン氏は、
「インドでの土地獲得競争を考慮し、想定値をより精緻なものに改善しようと試みた結果、技術改良が進んで、陸上での潜在発電量は、これまでの想定よりずっと高いことが分かった」
と指摘。
「CWETによる発電量の見積りが低かったせいで、政治家や中央電力庁といった政府機関は、風力エネルギーを再生可能エネルギーの主力と位置付けられずにいた。
原油価格の高騰やそれに伴う不安定要因、石炭供給上の大きな障害などを考慮すれば、この発見は、エネルギー安全保障と、世界の環境問題を考える上で、重要だ」
と話している。
将来的に活用できる素晴らしいニュースです。
ただし、今、この時の、日本の電力問題には役立ちません。そこを勘違いしないで下さい。
ここで、このニュースの深読みをしてみます(^^;
風力発電は、ドイツが北海に大々的に建設しています。北海は、ヨーロッパ大陸とイギリスと北欧三国に囲まれた大きな湾のような海ですから、風も比較的安定していることからだったと思います。
それでも電力が不足するので、老朽化して廃止が決まっていた原子力発電炉の、稼働延長を決めた、矢先に、東日本大震災が発生し、元々が『緑の党』という、環境団体の政党の拠点のような地域ですから、その団体が、原子炉の周りを二重にも三重にも取り巻いて気勢を上げたために、再び稼働延長を取り止めた経緯があります。
従って、風力発電の再評価というよりは、それで賄わなくてはならないハメになったワケで、これから新たに建設するものに関しては、このインドの技術は非常に重要ですが、すでに建設されてしまっているものに対しては、どうなのでしょうね。
それと、もっとも重要な課題に“設置用地”があります。ドイツが北海に建設したのも、国内には建設用地が無かったからでしょう。
日本はどうでしょうか。現在、東北の太平洋沿岸で風力発電の建設が始まっていますが、今後、あのクラスの津波が再び襲わないとも限らない場所で、大丈夫でしょうか。素人判断ですが、ちょっと心配になりました。つまりは、日本も洋上に建設しなければならないくらい、国土が無いのです。
〔可住地面積〕というものがあります。日本は山国なので、国土そのものはあっても、実際に畑を耕したり、建物を建設したり、人が住んだり出来る土地は限られています。人口密度だけでは片づけられない問題です。
ちなみにこの〔可住地面積〕。日本は国土の34%だそうで、具体的に100㎢に対しての割合は、
日 本 = 約 12人
だそうです。他に5つの国の可住面積が書かれてありましたが、
韓 国 = 4人~5人
ドイツ = 約 24人
フランス = 約 40人
イギリス = 約 22人
アメリカ = 約 620人
だそうです。
ニュースにあるインドが出ていないので検索したのですが、国土に対する人口密度の統計はいっぱいあるのに、実際に人が住める面積を集計したものが見当たりません。
それで〔可住地面積〕ではなく、〔耕地面積〕でくぐってみました。これだと田畑を耕せる面積ですから、人が住める面積よりは狭くなると思うのですが、いちおう、1000㎢に対しての割合で、
日 本 = 約 4 (国土面積世界60位)
インド = 約 161 (国土面積世界 6位)
だそうです。
耕地面積が世界で一番広いのは、やはりアメリカ(国土面積世界4位)で〔175〕だそうです。
ということで、このニュース、果たして日本にとって、役立つかどうか・・・
日本では12人しか住める土地が無いのに、620人も住める土地がありながら、20人くらいしか住んでいないアメリカでは、それこそ大々的に太陽光発電を建設していますけれど、それでもまだ電力が不足で、原子力発電炉を建設する動きになっていました。
韓国では今も原子力発電を推進しています。無理もないですね、日本よりずっと狭いのだから。
今後、中国の13億人、インドの12億人、合わせて25億人というと、現在の地球人口が70億人ちょっとですから、3分の1近くですね。その人たちが日本のような文化生活になったら、どのくらいの電力を必要とするのでしょう。
それを考えると、風力だの太陽光だの、チマチマやってていいのだろうかと、心配になってきます。
どうせ莫大な金額を投じるのなら、イカロスの開発をどんどん進めた方がいいのでは・・・
JAXA - 小型ソーラー電力セイル実証機 「IKAROS」 (2010.04.01)
金星探査機 「あかつき」と共に打ち上げられた 「イカロス」は見事に宇宙に帆を広げて、「はやぶさ」の偉業とともに世界が絶賛しました。
が、「はやぶさ」もそうですけど、いかんせん、予算が限られていることがあるでしょうね、現在は冬眠中です。もう春になったので、そろそろ目を覚ますのではないかとされていますが。
地球上ではいろんな制約があり、ましてや夜間は用を為さない太陽光発電。それが宇宙なら無限の可能性があるのです。
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(1404)風力発電のニュースを発展させました(^^
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