米空母攻撃、核報復…
日本、中国海軍の動きを警戒
自衛隊が対潜能力強化へ
2018.01.11
(www.sankei.com/politics/news/180111/plt1801110032-n1.html )
中国海軍所属とみられる潜水艦が
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の接続水域を潜航したことを受け、
政府は中国海軍に対する警戒・監視を強化する方針だ。
潜水艦は隠密裏の行動が命綱で、
自衛隊が潜水艦を発見したのは、
現段階で
中国海軍が十分な水準に達していない証拠ではある。
しかし、中国は
潜水艦の静粛性や長期潜航能力を急速に向上させており、
自衛隊は対潜戦能力の増強を迫られている。
「わが国の領土・領海・領空は、政府として頑として守る。
毅然(きぜん)と冷静に対応した」
菅義偉官房長官は11日の記者会見で、
今回の潜水艦の潜航に対してこう強調した。
小野寺五典防衛相も防衛省で記者団に
「緊張を一方的に高める行為であり、深刻に懸念している」
と述べた上で
「いたずらに事態をエスカレートさせることなく、
冷静な対応を継続しつつ、
領土、領海を断固として守るため毅然と対応していく」
と語った。
政府が中国の潜水艦に神経をとがらせるのは、
東シナ海や日本海から
米軍を排除する中国の「接近阻止・領域拒否」戦略を
進める上で、潜水艦が重要な役割を果たすからだ。
米海軍の空母は圧倒的な航空戦力を誇るが、
潜水艦からの攻撃に弱い。
中国側とすれば、
潜水艦が沖縄・台湾・フィリピンを結ぶ「第1列島線」を越えて
太平洋で米空母の動きを牽制(けんせい)できれば、
台湾有事などで有利に戦闘を展開できる。
また、中国が米国を核抑止するためには、
深海で息を潜める潜水艦が
米本土に報復する「第2撃能力」が必要だ。
中国は南シナ海で
戦略原子力潜水艦(SSBN)を運用する構想を持つが、
晋(ジン)級潜水艦の弾道ミサイル(SLBM)は
射程8千キロで米本土に届かない。
防衛省で中国軍の動向を分析する担当者は
「中国が米本土を核攻撃するためには、
潜水艦が太平洋に出るしかない」
と分析する。
こうした潜水艦の動きを警戒・監視するのは、
高い対潜戦能力を持つ自衛隊の役割だ。
潜水艦勤務の経験が長い伊藤俊幸元海将は、
防衛省が11日の潜水艦の動きを公表した理由について
「お前の行動は全部見ているぞということを示すためだ」
と説明する。
だが、中国は2020年までに
潜水艦を69~78隻に増強する見通しで、
長時間潜航するための
大気非依存型推進(AIP)システムも獲得した。
海上自衛隊の潜水艦乗組員は
「以前に比べて静粛性が増しているのは間違いない」
と証言する。
政府は策定作業を進める平成31年度以降の
中期防衛力整備計画で、最新鋭P1哨戒機の増強など
対潜戦能力向上をさらに進める方針だ。(杉本康士、千葉倫之)
日本、中国海軍の動きを警戒
自衛隊が対潜能力強化へ
2018.01.11
(www.sankei.com/politics/news/180111/plt1801110032-n1.html )
中国海軍所属とみられる潜水艦が
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の接続水域を潜航したことを受け、
政府は中国海軍に対する警戒・監視を強化する方針だ。
潜水艦は隠密裏の行動が命綱で、
自衛隊が潜水艦を発見したのは、
現段階で
中国海軍が十分な水準に達していない証拠ではある。
しかし、中国は
潜水艦の静粛性や長期潜航能力を急速に向上させており、
自衛隊は対潜戦能力の増強を迫られている。
「わが国の領土・領海・領空は、政府として頑として守る。
毅然(きぜん)と冷静に対応した」
菅義偉官房長官は11日の記者会見で、
今回の潜水艦の潜航に対してこう強調した。
小野寺五典防衛相も防衛省で記者団に
「緊張を一方的に高める行為であり、深刻に懸念している」
と述べた上で
「いたずらに事態をエスカレートさせることなく、
冷静な対応を継続しつつ、
領土、領海を断固として守るため毅然と対応していく」
と語った。
政府が中国の潜水艦に神経をとがらせるのは、
東シナ海や日本海から
米軍を排除する中国の「接近阻止・領域拒否」戦略を
進める上で、潜水艦が重要な役割を果たすからだ。
米海軍の空母は圧倒的な航空戦力を誇るが、
潜水艦からの攻撃に弱い。
中国側とすれば、
潜水艦が沖縄・台湾・フィリピンを結ぶ「第1列島線」を越えて
太平洋で米空母の動きを牽制(けんせい)できれば、
台湾有事などで有利に戦闘を展開できる。
また、中国が米国を核抑止するためには、
深海で息を潜める潜水艦が
米本土に報復する「第2撃能力」が必要だ。
中国は南シナ海で
戦略原子力潜水艦(SSBN)を運用する構想を持つが、
晋(ジン)級潜水艦の弾道ミサイル(SLBM)は
射程8千キロで米本土に届かない。
防衛省で中国軍の動向を分析する担当者は
「中国が米本土を核攻撃するためには、
潜水艦が太平洋に出るしかない」
と分析する。
こうした潜水艦の動きを警戒・監視するのは、
高い対潜戦能力を持つ自衛隊の役割だ。
潜水艦勤務の経験が長い伊藤俊幸元海将は、
防衛省が11日の潜水艦の動きを公表した理由について
「お前の行動は全部見ているぞということを示すためだ」
と説明する。
だが、中国は2020年までに
潜水艦を69~78隻に増強する見通しで、
長時間潜航するための
大気非依存型推進(AIP)システムも獲得した。
海上自衛隊の潜水艦乗組員は
「以前に比べて静粛性が増しているのは間違いない」
と証言する。
政府は策定作業を進める平成31年度以降の
中期防衛力整備計画で、最新鋭P1哨戒機の増強など
対潜戦能力向上をさらに進める方針だ。(杉本康士、千葉倫之)
祖国守る自衛隊が違憲の愚かさ
国際情勢から乖離する日本の安全保障観
憲法改正が急務
2018.01.11
(www.sankei.com/column/news/180111/clm1801110009-n1.html )
国民と国家を守るために、憲法第9条を見直すべきだ
激動する国際情勢の中、
日本国憲法の安全保障観は、
厳しい現実からあまりに乖離(かいり)している。
日本国憲法では、その前文で
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
われらの安全と生存を保持しようと決意した」
とうたい上げている。(夕刊フジ)
そもそも、自らの安全と生存を、
他国民によって保障してもらおうという発想自体が、
批判されて然るべきであろう。
だが、百歩譲って、仮に日本の周囲に
「平和を愛する諸国民」しか存在しないというのならば、
この憲法の安全保障観は
それほど非現実的とはいえないかもしれない。
しかし、わが国を取りまく諸国を眺めてみれば、
到底「平和を愛する」とは思えない国が存在していることが
明らかだ。
独裁者が支配する北朝鮮は、次のように日本を威嚇した。
「日本列島の4つの島は、
チュチェ思想の核爆弾によって海に沈むべきだ。
もはや日本は私たちの近くに存在する必要はない。
これが怒れる朝鮮軍と人民の声だ」
「日本を核爆弾で海に沈める」
「日本の存在が不要である」
と、国家が公式に発表しているのだから
穏やかではない。
仮に、北朝鮮の「公正と信義に信頼して
われらの安全と生存を保持しよう」とするならば、
そこには
戦略も戦術も、そして理性さえも存在していない。
自らの安全と生存をないがしろにする、
恐るべき狂気の安全保障政策であろう。
わが国の平和は、
憲法が描き出す楽観的な安全保障政策によって
守られてきたのではない。
わが国の平和を保障してきたのは、
精強な自衛隊の存在、
そして強固な日米同盟の存在があったからだ。
本来であれば、
憲法9条によって「戦力」を保有できず、
「交戦権」も有していない日本は、
魔術師のように解釈を変化させることによって
「自衛隊」を合憲と位置づけてきた。
だが、虚心坦懐(たんかい)に憲法を読み、
自衛隊を保持できると思う国民は少ないであろう。
多くの憲法学者も、自衛隊を「違憲の存在」と位置づけてきた。
日本共産党はいまだに、自衛隊を
「違憲の存在である」と主張し続けている。
日本を守るために、日夜汗を流している自衛隊の存在を
憲法上に明記するのは当然のことだ。
本来であれば、9条の第2項を削除し、
わが国も「戦力」を保有すべきである。
しかしながら、
9条第2項の削除が現実的に厳しいのであれば、
第3項に自衛隊を位置づけるべきであろう。
祖国を守る人々の存在が
違憲の存在であるなどという、
愚かな言説が飛び交うような
奇妙な国家であり続けてはならない。
■ 岩田温(いわた・あつし)
1983年、静岡県生まれ。
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。
拓殖大学客員研究員などを経て、
現在大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。
専攻は政治哲学。
著書に『逆説の政治哲学』(ベスト新書)
『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)
『人種差別から読み解く大東亜戦争』(彩図社)など。
国際情勢から乖離する日本の安全保障観
憲法改正が急務
2018.01.11
(www.sankei.com/column/news/180111/clm1801110009-n1.html )
国民と国家を守るために、憲法第9条を見直すべきだ
激動する国際情勢の中、
日本国憲法の安全保障観は、
厳しい現実からあまりに乖離(かいり)している。
日本国憲法では、その前文で
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
われらの安全と生存を保持しようと決意した」
とうたい上げている。(夕刊フジ)
そもそも、自らの安全と生存を、
他国民によって保障してもらおうという発想自体が、
批判されて然るべきであろう。
だが、百歩譲って、仮に日本の周囲に
「平和を愛する諸国民」しか存在しないというのならば、
この憲法の安全保障観は
それほど非現実的とはいえないかもしれない。
しかし、わが国を取りまく諸国を眺めてみれば、
到底「平和を愛する」とは思えない国が存在していることが
明らかだ。
独裁者が支配する北朝鮮は、次のように日本を威嚇した。
「日本列島の4つの島は、
チュチェ思想の核爆弾によって海に沈むべきだ。
もはや日本は私たちの近くに存在する必要はない。
これが怒れる朝鮮軍と人民の声だ」
「日本を核爆弾で海に沈める」
「日本の存在が不要である」
と、国家が公式に発表しているのだから
穏やかではない。
仮に、北朝鮮の「公正と信義に信頼して
われらの安全と生存を保持しよう」とするならば、
そこには
戦略も戦術も、そして理性さえも存在していない。
自らの安全と生存をないがしろにする、
恐るべき狂気の安全保障政策であろう。
わが国の平和は、
憲法が描き出す楽観的な安全保障政策によって
守られてきたのではない。
わが国の平和を保障してきたのは、
精強な自衛隊の存在、
そして強固な日米同盟の存在があったからだ。
本来であれば、
憲法9条によって「戦力」を保有できず、
「交戦権」も有していない日本は、
魔術師のように解釈を変化させることによって
「自衛隊」を合憲と位置づけてきた。
だが、虚心坦懐(たんかい)に憲法を読み、
自衛隊を保持できると思う国民は少ないであろう。
多くの憲法学者も、自衛隊を「違憲の存在」と位置づけてきた。
日本共産党はいまだに、自衛隊を
「違憲の存在である」と主張し続けている。
日本を守るために、日夜汗を流している自衛隊の存在を
憲法上に明記するのは当然のことだ。
本来であれば、9条の第2項を削除し、
わが国も「戦力」を保有すべきである。
しかしながら、
9条第2項の削除が現実的に厳しいのであれば、
第3項に自衛隊を位置づけるべきであろう。
祖国を守る人々の存在が
違憲の存在であるなどという、
愚かな言説が飛び交うような
奇妙な国家であり続けてはならない。
■ 岩田温(いわた・あつし)
1983年、静岡県生まれ。
早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。
拓殖大学客員研究員などを経て、
現在大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。
専攻は政治哲学。
著書に『逆説の政治哲学』(ベスト新書)
『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)
『人種差別から読み解く大東亜戦争』(彩図社)など。
激論
自民・和田政宗氏と
維新・足立康史氏
「巡航ミサイル導入の議論を」
「9条改正は避けて通れぬ」
2018.01.12
(www.sankei.com/politics/news/180112/plt1801120017-n1.html )
北朝鮮情勢などについて意見を交わした和田氏(左)と足立氏
2018年は、北朝鮮情勢や憲法改正論議が、一気に進展する可能性がある。
元NHKアナウンサーである自民党の和田政宗参院議員と、
元経産官僚で「国会の爆弾男」として知られる
日本維新の会の足立康史衆院議員が、
「国を守る」立場から激論を交わした。(夕刊フジ)
◇
和田氏 「北朝鮮が核・ミサイル技術を実用化する日は、必ずやってくる。
その前に、米国が軍事攻撃に踏み切る可能性も否定できない」
「日本は、国際社会と連携して圧力をかけ、
北朝鮮が『核・ミサイル開発をやめる』というまで追い込まなくてはならない。
北朝鮮は『核開発を放棄する』と表明しながら、裏切ってきた過去がある。
見極めが重要だ」
足立氏 「国連安全保障理事会の制裁決議は相当踏み込んだが、
履行状況の把握には限界がある。
(地上配備の『イージス・アショア』など)迎撃体制を追求すれば、
際限なく費用がかかる。
完全な整備は不可能だろう。
今年の通常国会では、核抑止の議論をしたい」
和田氏 「それは核武装ではなくて、
米国との『核シェアリング』
(=有事に、米国が管理する核兵器を同盟国とともに使う仕組み)か?」
足立氏 「そうだ。
現在のNPT(核拡散防止条約)体制のもとで、
日本が核武装するとなったら、北朝鮮と同じになってしまう。
『米国と核共有する』と宣言するだけでも、効果があるはずだ。
『非核三原則』を見直し、核共有の宣言をすべきかどうか、
本気のガチンコ論戦をやりたい」
和田氏 「現時点では、
核共有をしなくても、通常兵器で日本は守れると思う。
そのためには、北朝鮮に対する抑止力が不可欠だ」
「政府は、敵基地攻撃能力の保有について、
『憲法上は可能だが、装備は持たない』という立場だ。
北朝鮮は、日本のことを
『ミサイルが着弾しても、反撃能力すらないアンパイ(安牌)だ』
と軽視している。
トマホークなどの巡航ミサイルの導入を含めて、議論する時期に来ている」
足立氏 「もはや、敵基地攻撃能力の必要性を
議論している次元ではない。
核共有宣言を念頭に置いた核抑止に踏み込むべきだ。
二度と国民を被爆のリスクにさらさないために、
非核三原則の見直しを議論することは国会議員の責務ではないか」
--今年は、憲法改正の議論も本格化する。
和田氏 「わが国の憲法は、
国を守る術が記されていない、世界的にもいびつな規定だ。
自衛隊を憲法に明記し、
わが国を断固として守る意志を示すことが、
国防の強化につながる」
足立氏 「9条改正は避けて通れない。
文民統制に関わる指揮権などの議論を深めたい」
和田氏 「通常国会で発議に向けた議論に入るべきだ」
足立氏 「2016年参院選で、
民進党は『(与党に)3分の2をとらせない』と訴えて敗れた。
選挙結果に基づき、国民との約束を果たすためにも、
できれば年内に、遅くとも19年の次期参院選までに
改憲を発議するのが国会の責任だ」(続きは12時過ぎ)
◇ ◇
激論
自民・和田政宗氏
維新・足立康史氏
「政府批判ありき左派メディア」
「国家危機に揚げ足取りの立民など野党」
2018.01.12
(www.sankei.com/politics/news/180112/plt1801120019-n1.html )
朝日新聞は「モリカケ報道」への批判を受け、
読者にどう説明するのか
2018年の国会論戦は、どうあるべきか。
元NHKアナウンサーである自民党の和田政宗参院議員と、
元経産官僚で「国会の爆弾男」として知られる
日本維新の会の足立康史衆院議員が、
一部野党と左派メディアの姿勢を批判しつつ、
「真に求められる政治」について提言した。(夕刊フジ)
◇
足立氏 「昨年の『モリカケ騒動』は、
無責任野党と偏向メディアの連携が招いた結果だった。
今年は、同様なことを再び起こさないために、戦わなければいけない」
和田氏 「事実に基づいて分析し
『国家と国民を守るために何が必要か』ということを提示するのが、
メディアやジャーナリズムの役割として極めて重要だ。
今の一部報道は『政府批判ありき』になっている」
「朝日新聞は17年5月9日朝刊で、
森友学園が『安倍晋三記念小学校』の設置趣意書を国に提出したと報じたが、
誤りだった。
裏取りすれば、すぐに分かる話だ。
公正なジャーナリズムであれば、確認できないうちは記事にしない。
17年は『ジャーナリズムが死んだ年』の元年だ」
足立氏 「私は20年間、霞が関にいた。
行政の実務を知る者からすれば、
森友学園と加計学園のいずれのケースも、
疑獄事件にならないことは初めから明らかだった」
和田氏 「私も、資料や取材に基づき、
『政治家の関与は、まったくない』と指摘してきた」
足立氏 「森友学園の件は、
詐欺罪に問われている前理事長夫妻に恫喝(どうかつ)された公務員がびびった。
これが、ことの核心だ。
加計学園の方も、行政の岩盤規制に穴を開けるために
調整や根回しがあっただろう。
いずれも、行政手続き上の課題といった次元で、
『疑獄事件だ』と騒ぐのは、失笑ものだ」
和田氏 「政府は、疑惑として報じられたとき、
さまざまな根拠を示しながら、丁寧に説明することが大事だ」
足立氏 「野党の立場から言わせてもらうと、
政府・与党に油断があったと思う。
ここまで引っ張る必要のないテーマで、
一部野党に引きずられてしまったことを反省すべきだ」
--日本の安全保障をめぐり、
「敵基地攻撃能力の保有」などを議論しようとすると、
一部野党は「専守防衛に反する」と反発する。
足立氏 「専守防衛は『本土決戦』を意味し、
国民の生命と財産をリスクにさらす。
無責任野党の主張は、極めて遺憾だ」
和田氏 「与野党が(堂々巡りの)『神学論争』をするのではなく、
国民を守るためにやらなくてはならないことを真剣に考えることが、
まっとうな政治だ」
「北朝鮮からのミサイル攻撃に対する
迎撃ミサイルをさらに配備するか、
トマホークなどの巡航ミサイルを導入するか。
限られた予算でどちらを選択するか、
という建設的な議論こそ、国民を守るために必要だ」
足立氏 「これだけ国家が危機に直面している。
立憲民主党をはじめ一部野党は、
政府・与党の揚げ足取りをしている場合ではない」=おわり
自民・和田政宗氏と
維新・足立康史氏
「巡航ミサイル導入の議論を」
「9条改正は避けて通れぬ」
2018.01.12
(www.sankei.com/politics/news/180112/plt1801120017-n1.html )
北朝鮮情勢などについて意見を交わした和田氏(左)と足立氏
2018年は、北朝鮮情勢や憲法改正論議が、一気に進展する可能性がある。
元NHKアナウンサーである自民党の和田政宗参院議員と、
元経産官僚で「国会の爆弾男」として知られる
日本維新の会の足立康史衆院議員が、
「国を守る」立場から激論を交わした。(夕刊フジ)
◇
和田氏 「北朝鮮が核・ミサイル技術を実用化する日は、必ずやってくる。
その前に、米国が軍事攻撃に踏み切る可能性も否定できない」
「日本は、国際社会と連携して圧力をかけ、
北朝鮮が『核・ミサイル開発をやめる』というまで追い込まなくてはならない。
北朝鮮は『核開発を放棄する』と表明しながら、裏切ってきた過去がある。
見極めが重要だ」
足立氏 「国連安全保障理事会の制裁決議は相当踏み込んだが、
履行状況の把握には限界がある。
(地上配備の『イージス・アショア』など)迎撃体制を追求すれば、
際限なく費用がかかる。
完全な整備は不可能だろう。
今年の通常国会では、核抑止の議論をしたい」
和田氏 「それは核武装ではなくて、
米国との『核シェアリング』
(=有事に、米国が管理する核兵器を同盟国とともに使う仕組み)か?」
足立氏 「そうだ。
現在のNPT(核拡散防止条約)体制のもとで、
日本が核武装するとなったら、北朝鮮と同じになってしまう。
『米国と核共有する』と宣言するだけでも、効果があるはずだ。
『非核三原則』を見直し、核共有の宣言をすべきかどうか、
本気のガチンコ論戦をやりたい」
和田氏 「現時点では、
核共有をしなくても、通常兵器で日本は守れると思う。
そのためには、北朝鮮に対する抑止力が不可欠だ」
「政府は、敵基地攻撃能力の保有について、
『憲法上は可能だが、装備は持たない』という立場だ。
北朝鮮は、日本のことを
『ミサイルが着弾しても、反撃能力すらないアンパイ(安牌)だ』
と軽視している。
トマホークなどの巡航ミサイルの導入を含めて、議論する時期に来ている」
足立氏 「もはや、敵基地攻撃能力の必要性を
議論している次元ではない。
核共有宣言を念頭に置いた核抑止に踏み込むべきだ。
二度と国民を被爆のリスクにさらさないために、
非核三原則の見直しを議論することは国会議員の責務ではないか」
--今年は、憲法改正の議論も本格化する。
和田氏 「わが国の憲法は、
国を守る術が記されていない、世界的にもいびつな規定だ。
自衛隊を憲法に明記し、
わが国を断固として守る意志を示すことが、
国防の強化につながる」
足立氏 「9条改正は避けて通れない。
文民統制に関わる指揮権などの議論を深めたい」
和田氏 「通常国会で発議に向けた議論に入るべきだ」
足立氏 「2016年参院選で、
民進党は『(与党に)3分の2をとらせない』と訴えて敗れた。
選挙結果に基づき、国民との約束を果たすためにも、
できれば年内に、遅くとも19年の次期参院選までに
改憲を発議するのが国会の責任だ」(続きは12時過ぎ)
◇ ◇
激論
自民・和田政宗氏
維新・足立康史氏
「政府批判ありき左派メディア」
「国家危機に揚げ足取りの立民など野党」
2018.01.12
(www.sankei.com/politics/news/180112/plt1801120019-n1.html )
朝日新聞は「モリカケ報道」への批判を受け、
読者にどう説明するのか
2018年の国会論戦は、どうあるべきか。
元NHKアナウンサーである自民党の和田政宗参院議員と、
元経産官僚で「国会の爆弾男」として知られる
日本維新の会の足立康史衆院議員が、
一部野党と左派メディアの姿勢を批判しつつ、
「真に求められる政治」について提言した。(夕刊フジ)
◇
足立氏 「昨年の『モリカケ騒動』は、
無責任野党と偏向メディアの連携が招いた結果だった。
今年は、同様なことを再び起こさないために、戦わなければいけない」
和田氏 「事実に基づいて分析し
『国家と国民を守るために何が必要か』ということを提示するのが、
メディアやジャーナリズムの役割として極めて重要だ。
今の一部報道は『政府批判ありき』になっている」
「朝日新聞は17年5月9日朝刊で、
森友学園が『安倍晋三記念小学校』の設置趣意書を国に提出したと報じたが、
誤りだった。
裏取りすれば、すぐに分かる話だ。
公正なジャーナリズムであれば、確認できないうちは記事にしない。
17年は『ジャーナリズムが死んだ年』の元年だ」
足立氏 「私は20年間、霞が関にいた。
行政の実務を知る者からすれば、
森友学園と加計学園のいずれのケースも、
疑獄事件にならないことは初めから明らかだった」
和田氏 「私も、資料や取材に基づき、
『政治家の関与は、まったくない』と指摘してきた」
足立氏 「森友学園の件は、
詐欺罪に問われている前理事長夫妻に恫喝(どうかつ)された公務員がびびった。
これが、ことの核心だ。
加計学園の方も、行政の岩盤規制に穴を開けるために
調整や根回しがあっただろう。
いずれも、行政手続き上の課題といった次元で、
『疑獄事件だ』と騒ぐのは、失笑ものだ」
和田氏 「政府は、疑惑として報じられたとき、
さまざまな根拠を示しながら、丁寧に説明することが大事だ」
足立氏 「野党の立場から言わせてもらうと、
政府・与党に油断があったと思う。
ここまで引っ張る必要のないテーマで、
一部野党に引きずられてしまったことを反省すべきだ」
--日本の安全保障をめぐり、
「敵基地攻撃能力の保有」などを議論しようとすると、
一部野党は「専守防衛に反する」と反発する。
足立氏 「専守防衛は『本土決戦』を意味し、
国民の生命と財産をリスクにさらす。
無責任野党の主張は、極めて遺憾だ」
和田氏 「与野党が(堂々巡りの)『神学論争』をするのではなく、
国民を守るためにやらなくてはならないことを真剣に考えることが、
まっとうな政治だ」
「北朝鮮からのミサイル攻撃に対する
迎撃ミサイルをさらに配備するか、
トマホークなどの巡航ミサイルを導入するか。
限られた予算でどちらを選択するか、
という建設的な議論こそ、国民を守るために必要だ」
足立氏 「これだけ国家が危機に直面している。
立憲民主党をはじめ一部野党は、
政府・与党の揚げ足取りをしている場合ではない」=おわり