「宇宙強国」国家目標の中国
2040年に原子力スペースシャトル開発
小惑星資源採掘で「米露」陵駕の野望
2017.11.30
(http://www.sankei.com/premium/news/171130/prm1711300006-n1.html )
11月21日、中国山西省から打ち上げられた「長征6号」ロケット(ロイター)
2030年までに
米国やロシアと並ぶ「宇宙強国」入りを掲げる中国の
新たな宇宙計画が明らかになった。
今後約20年をかけ、2040年ごろまでに
原子力スペースシャトルを開発するというのだ。
宇宙開発の原則として「平和的な発展」をうたう中国だが、
その狙いは
宇宙空間の軍事力を強化し
米国を凌駕することにある。
中国のスペースシャトルからミサイルが発射され、
米国の軍事衛星を破壊する ―。
こうしたSF小説のような事態が近未来に起こりうるかもしれない。
(中国総局 西見由章)
中国のロケット開発を担う中国航天科技集団ロケット技術研究院は11月中旬、
「宇宙輸送システム開発ロードマップ」を発表し、
主力ロケット「長征」シリーズの長期計画を示した。
計画によると、
2020年までに低コストの中型運搬ロケット「長征8号」を初飛行させ、
全世界に向けて多様化された商業衛星打ち上げサービスを提供する。
2025年前後には再利用可能な準軌道飛行運搬ロケットを開発し、
準軌道飛行による宇宙旅行が可能となる。
2030年ごろには大型運搬ロケットの初飛行に成功。
有人月面着陸や
火星でのサンプル採集と
地球帰還に必要な運搬能力を提供する。
2035年ごろには運搬ロケットの完全再利用化を実現する。
2040年前後になると、
原子力を動力源とするスペースシャトルの技術が大きく進展。
(← アメリカのスペースシャトルは老齢化で引退しましたw)
小惑星での資源採掘や(← はやぶさがやりましたw)
宇宙空間での太陽光発電が(← JAXA が成功していますw)
可能となる。
2045年には、宇宙空間への移動と運輸方式に「革命的な変化」が生じる。
静止衛星と地上をケーブルや昇降機などでつなぐ「宇宙エレベーター」を実用化。
太陽系内の惑星や小惑星、彗星などへの探査が常態化し、
(← 米、日とか、すでに常態化してますw
米はボイジャーが太陽系外まで行ってますw)
宇宙空間の利用が高度成長期に入る。
主な内容は以上だ。
中国の計画は惑星探査や宇宙旅行などロマンをかきたてるが、
宇宙開発の重要な動機である軍事利用に関しては一切触れていない。
ただ中国はすでに軍事作戦に利用できる
中国版GPS「北斗」の整備を急速に進めているほか、
衛星をミサイルで破壊する衛星攻撃兵器(ASAT)の実験に成功している。
また中国による通常兵器や核兵器の宇宙配備に対しても
欧米諸国は警戒感を高めているのだ。
今回発表された原子力スペースシャトル計画が
実は軍事利用を目的とするものであっても何ら不思議ではない。
一方、宇宙空間での原子力の利用をめぐっては課題も多い。
1978年1月、
原子炉を搭載した旧ソ連の偵察衛星が
軌道投入失敗後にカナダに墜落、放射性物質が
12万4000平方キロメートルにわたってまき散らされる事故が発生し、
米ソ、ロシアでの研究が停滞した経緯もある。
北京の専門家は今回の「原子力宇宙船」計画について
「安全面が最大の難問になるだろう。もし墜落すれば世界的な核災害になる」
と香港紙サウス・チャイナ・モーニングポストに指摘した。
また中国の別の研究者は同紙に
「中国はまだ原子力空母すら持っていない。
予見できる未来においては、
原子力宇宙船計画は紙上の計画にとどまり続けるだろう」
との見方を示している。
◇
スペースシャトル
米航空宇宙局(NASA)が
1981年から本格運用を開始した有人宇宙船。
それ以前の宇宙船と違い、
宇宙飛行士と貨物を搭載するオービター(軌道船)が
宇宙空間での活動後に大気圏に再突入し着陸、
再使用することが可能だった。
1986年にチャレンジャー号爆発事故が、
2003年にコロンビア号空中分解事故が発生。
2011年に運用を終了した。
NASAでは現在、スペースシャトルの代替として、
再び使い捨て型の有人宇宙船開発が進んでいる。
2011年にラストミッションを行い帰還した
スペースシャトル・アトランティスが帰還当時のまま展示されている。
機体の底部などには大気圏突入時の跡がハッキリとわかる
=2014年12月07日、米フロリダ州ケネディ宇宙センター(早坂洋祐撮影)
2040年に原子力スペースシャトル開発
小惑星資源採掘で「米露」陵駕の野望
2017.11.30
(http://www.sankei.com/premium/news/171130/prm1711300006-n1.html )
11月21日、中国山西省から打ち上げられた「長征6号」ロケット(ロイター)
2030年までに
米国やロシアと並ぶ「宇宙強国」入りを掲げる中国の
新たな宇宙計画が明らかになった。
今後約20年をかけ、2040年ごろまでに
原子力スペースシャトルを開発するというのだ。
宇宙開発の原則として「平和的な発展」をうたう中国だが、
その狙いは
宇宙空間の軍事力を強化し
米国を凌駕することにある。
中国のスペースシャトルからミサイルが発射され、
米国の軍事衛星を破壊する ―。
こうしたSF小説のような事態が近未来に起こりうるかもしれない。
(中国総局 西見由章)
中国のロケット開発を担う中国航天科技集団ロケット技術研究院は11月中旬、
「宇宙輸送システム開発ロードマップ」を発表し、
主力ロケット「長征」シリーズの長期計画を示した。
計画によると、
2020年までに低コストの中型運搬ロケット「長征8号」を初飛行させ、
全世界に向けて多様化された商業衛星打ち上げサービスを提供する。
2025年前後には再利用可能な準軌道飛行運搬ロケットを開発し、
準軌道飛行による宇宙旅行が可能となる。
2030年ごろには大型運搬ロケットの初飛行に成功。
有人月面着陸や
火星でのサンプル採集と
地球帰還に必要な運搬能力を提供する。
2035年ごろには運搬ロケットの完全再利用化を実現する。
2040年前後になると、
原子力を動力源とするスペースシャトルの技術が大きく進展。
(← アメリカのスペースシャトルは老齢化で引退しましたw)
小惑星での資源採掘や(← はやぶさがやりましたw)
宇宙空間での太陽光発電が(← JAXA が成功していますw)
可能となる。
2045年には、宇宙空間への移動と運輸方式に「革命的な変化」が生じる。
静止衛星と地上をケーブルや昇降機などでつなぐ「宇宙エレベーター」を実用化。
太陽系内の惑星や小惑星、彗星などへの探査が常態化し、
(← 米、日とか、すでに常態化してますw
米はボイジャーが太陽系外まで行ってますw)
宇宙空間の利用が高度成長期に入る。
主な内容は以上だ。
中国の計画は惑星探査や宇宙旅行などロマンをかきたてるが、
宇宙開発の重要な動機である軍事利用に関しては一切触れていない。
ただ中国はすでに軍事作戦に利用できる
中国版GPS「北斗」の整備を急速に進めているほか、
衛星をミサイルで破壊する衛星攻撃兵器(ASAT)の実験に成功している。
また中国による通常兵器や核兵器の宇宙配備に対しても
欧米諸国は警戒感を高めているのだ。
今回発表された原子力スペースシャトル計画が
実は軍事利用を目的とするものであっても何ら不思議ではない。
一方、宇宙空間での原子力の利用をめぐっては課題も多い。
1978年1月、
原子炉を搭載した旧ソ連の偵察衛星が
軌道投入失敗後にカナダに墜落、放射性物質が
12万4000平方キロメートルにわたってまき散らされる事故が発生し、
米ソ、ロシアでの研究が停滞した経緯もある。
北京の専門家は今回の「原子力宇宙船」計画について
「安全面が最大の難問になるだろう。もし墜落すれば世界的な核災害になる」
と香港紙サウス・チャイナ・モーニングポストに指摘した。
また中国の別の研究者は同紙に
「中国はまだ原子力空母すら持っていない。
予見できる未来においては、
原子力宇宙船計画は紙上の計画にとどまり続けるだろう」
との見方を示している。
◇
スペースシャトル
米航空宇宙局(NASA)が
1981年から本格運用を開始した有人宇宙船。
それ以前の宇宙船と違い、
宇宙飛行士と貨物を搭載するオービター(軌道船)が
宇宙空間での活動後に大気圏に再突入し着陸、
再使用することが可能だった。
1986年にチャレンジャー号爆発事故が、
2003年にコロンビア号空中分解事故が発生。
2011年に運用を終了した。
NASAでは現在、スペースシャトルの代替として、
再び使い捨て型の有人宇宙船開発が進んでいる。
2011年にラストミッションを行い帰還した
スペースシャトル・アトランティスが帰還当時のまま展示されている。
機体の底部などには大気圏突入時の跡がハッキリとわかる
=2014年12月07日、米フロリダ州ケネディ宇宙センター(早坂洋祐撮影)