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◆ 【国難を問う】 (1) 日本に課せられる重い課題とは?

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AVENGED SEVENFOLD ~ Strength Of The World  (2005)


国難を問う)】
迫る北朝鮮有事
後方支援、難民、戦費…
日本に課せられる重い課題とは?

2017.10.12
(http://www.sankei.com/politics/news/171012/plt1710120027-n1.html )

北朝鮮の労働新聞が8月26日掲載した、韓国の延坪島と白●(=領の頁を羽の旧字体に)島の占領を想定した特殊作戦部隊による攻撃訓練の写真(コリアメディア提供・共同)
北朝鮮の労働新聞が8月26日掲載した韓国の延坪島と白翎島の占領を想定した
特殊作戦部隊による攻撃訓練の写真
コリアメディア提供・共同



「今年暮れから、来年にかけて、
なかなか選挙をやっているという状況ではなくなっていく…」


首相の安倍晋三は8日、インターネットテレビ局「AbemaTV」に出演し、
衆院解散に踏み切った最大の理由北朝鮮情勢だったことを明かした。


北朝鮮は米国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を進めている。

9月3日には6回目の核実験で水爆の保有を誇示、
弾頭小型化の技術もほぼ手中に収めた。


これに対し、米大統領ドナルド・トランプは、北朝鮮・朝鮮労働党委員長、
金正恩を「ロケットマン」呼ばわりし、「炎と怒り」「完全破壊」などと
恫喝(どうかつ)してきたが、10月7日のツイッターはやや冷静だった。


過去の米大統領25年間北朝鮮と対話し、大量の金が払われてきたが、
合意はインクが乾かぬうちに破られ米政府の交渉者はこけにされた
もはや有効な手段は申し訳ないが1つしかない


読みようによっては「最後通告」と受け取れる。

だが、防衛関係者がそれ以上に衝撃を受けたのは、
米国防長官ジェームズ・マティスの発言だった。


9月18日、マティスは米国防総省で記者団に
ソウルを危険にさらすことなく
北朝鮮の核・ミサイルを無力化する軍事オプションが
あるのかどうかを問われ、
あると断じたのだ。


この発言は
米軍がすでに軍事シミュレーションを終えたことを
意味する


一歩踏み込めば、米軍はすでに攻撃準備段階に入っている可能性もある。


1994年の北朝鮮危機でも、米大統領(当時)のビル・クリントンは
軍事行動を検討した。

ところが、米軍の試算は、最初の90日間で
米軍死傷者5万2千人、
韓国軍死傷者49万人、
民間人も含めると100万人超の犠牲者が出る
という衝撃的な内容だった。


これでクリントンは対話路線にかじを切った。

だが、マティス発言の通り、韓国の被害が最小限で済むならば
米政権が軍事行動を思いとどまる理由はない。

     × × ×

米政府軍事行動に踏み切るまでには、少なくとも2カ月の猶予がある。

総攻撃には周到な準備が必要となるからだ。


米国防情報局(DIA)の分析などによると、
北朝鮮
北緯38度線の非武装地帯(DMZ)周辺に火砲8千~1万門を並べ、
日本に到達する
・ 中距離弾道ミサイル「ノドン」200発、
・ 短距離弾道ミサイル「スカッド」800発、
・ 核弾頭最大60発
保有するとされる。


日本や韓国への被害を最小限に抑えるには、
これらの火砲やミサイル群に加えて、
レーダー施設や武器・弾薬庫などを一気に破壊する必要がある。


このためには、米軍が保有する空母11隻のうち半数を空母打撃群として
北朝鮮近海に展開せねばならない。

あわせて在韓米国人約26万人の退避も行わなければならず、
これらに約2カ月必要とされる。


ということは
朝鮮半島情勢が緊迫するのは
早くても12月以降


安倍
衆院解散で政治空白を作るのは
北朝鮮情勢が小康状態である今しかない
判断したのは、このためだった。

     × × ×

たとえ、米軍の総攻撃が短期間で終了しても、
北朝鮮有事はここで収束するわけではない。


北朝鮮有事となれば、米政府は間違いなく日本政府に全面協力を求める。


自衛隊が、弾薬補給や給油など米軍の後方支援を行うには、
日本政府は『安全保障関連法』に基づき
「重要影響事態」と認定せねばならない。

一歩進めて『集団的自衛権』を行使するには
「存立危機事態」の認定が必要となる。

いずれも政府は迅速かつ的確な判断を迫られる。


日本海に北朝鮮から大量の難民が押し寄せる事態も想定される。


問題はどこでどのように難民を収容するか

難民の中に工作員武装難民紛れ込んでいる可能性があるため、
一般国民から隔絶された離島などに収容施設を造る必要がある。


難民を保護しつつ武装難民の活動を抑止するには、
警察官よりも自衛隊員による警備が望ましいが、
自衛隊による警備には「治安出動の発令」が不可欠となる。


政府関係者
そうした準備はほとんどできていない
と語るが
政府内で極秘裏に検討が始まっていると見てよい


副総理兼財務相の麻生太郎は9月23日に宇都宮市での講演でこう語った。


難民が船に乗って新潟、山形、青森の方に間違いなく漂着する。
不法入国で10万人単位
どこに収容するのか。
警察で対応できるか。
自衛隊、防衛出動か。
じゃあ射殺か。
真剣に考えた方がいい」


一部メディアは「射殺」という言葉だけを批判したが、
発言は政府が難民問題を真剣に検討している証左だといえる。

     × × ×

戦費負担も大きな問題となる。


1991年の「湾岸戦争」で米軍が費やした戦費は
611億ドル(現在の為替レートで約6兆8700億円)だった。

北朝鮮有事ではどれぐらい必要なのか。


1994年の「朝鮮半島危機」で米軍がはじいた試算は
湾岸戦争とほぼ同じ610億ドルだったが、
装備も人的コストも当時とは大きく違う。
さらに膨らむ公算が大きい。


「湾岸戦争」の戦費の88%は湾岸諸国などが負担した。

トランプが日本に「応分の負担」を求めぬはずがない。

政府高官は
「求められる負担は消費税の増税分では済まないかもしれない」
と語った。


日本の負担は戦後処理にまで及ぶ可能性もある。

仮に韓国と北朝鮮が戦争後に統一すれば、
統一経費は400億ドルとも1400億ドルともいわれる。

一体どこがいくら負担するのか。

関係国間で熾烈(しれつ)な外交駆け引きが始まるだろう。

国会も紛糾するに違いない。

     × × ×

この北朝鮮の危機に
安保関連法がなければ
大変なことになっていた



安倍は衆院解散後、『安保関連法』の意義を繰り返し強調してきた。


確かに『安保関連法』成立により、
限定的ながら『集団的自衛権』行使が認められ、
自衛隊は
戦闘地域で「補給支援」や「機雷除去」などを行うことができる。

平時でも海上自衛隊が米海軍艦艇の防護や補給をできるようになった。


とはいえ
日本の安全に直接的な脅威とならない限り
自衛隊は十分な役割を果たすことができない

例えば、補給を行う海域で戦闘が始まれば、
自衛隊は
米艦艇を見捨てて撤退しなければならない。


「海上封鎖」についても自衛隊の参加は難しい。

国際法上、臨検は「武力行使の一環」と位置づけられ、
憲法9条が禁じる「武力行使の一体化」となりかねないからだ。

そもそも自衛隊は
・ 積み荷押収や
・ 武装解除など
強制権限を有していない。


補給もできない

臨検もできない

となると日米同盟にひびが入りかねない


そんな事態に陥っても
国会で野党は
「安保関連法は憲法違反」だ
と騒ぐつもりなのか。

今回の衆院選は日米同盟の行方そのものを問うている。(敬称略、杉本康士)


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