【経済が告げる】
「お人よし」通貨政策の転機
編集委員・田村秀男
2012.08.31
(http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120831/fnc12083103270000-n1.htm)
「夜郎自大」さながら日本を見下す韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領、
魯迅の「阿Q正伝」描く民衆よろしく付和雷同して「小日本」を叫ぶ中国人デモ。
李氏の竹島、中国系活動家の尖閣諸島への不法上陸を機に、
日韓、日中の協調ムードに冷水がかかったが、
中韓との相克は、
国際的にもまれな「お人よし」日本の対中韓経済政策見直しの好機である。
もともと、
今回の紛争が起きなくても、
3カ国の経済協調の現行の仕組みは
脆弱(ぜいじゃく)な基盤の上に成り立っていた。
最大の欠陥は、肝心の通貨・金融分野が一方通行でしかない点だ。
中国の場合、
日本など海外の企業や金融機関の
人民元保有や売り買いを限定する。
人民元相場を管理して安い水準に維持して輸出攻勢をかける。
中国は思う存分に
日本の企業、水源地の山林を含む不動産や国債、株式を
買いまくるくせに、
自国への日本などからの資産投資を厳しく制限する。
韓国の場合、
円に対する通貨ウォンの超安値を放置し、
サムスンなど韓国企業の対日競争力を飛躍的に高めてきた。
2国間や多国間の経済関係というのは
いくら「自由」「協調」「互恵」など教科書的な美辞麗句で飾られようとも、
内実は
自国にとって都合のよい仕組みを他国に押し付け合うゲームなのである。
なのに、日本は
中国と韓国に対して唯々諾々と言いなりになってきた。
それは
「アジア随一の先進国」の度量だったかもしれないが、
状況はとっくに変わった。
日本は「20年デフレ」で国力は衰退を続け、他方の中韓は増長著しい。
李大統領は竹島上陸のあと、
日本の国際社会での影響力について
「昔と同じではない」と述べたそうだが、
侮りに近い対日観は中国にも共通しているはずだ。
具体的にどうすべきか。
10月末に期限が到来する通貨交換(スワップ)協定を例にとろう。
昨年、枠が大幅に拡大された同協定のおかげで
韓国は
国際金融市場で交換性に乏しいローカル通貨ウォンを刷っては
国際通貨である円やドルとたやすく交換できる。
韓国は4年前のリーマン・ショック後、急落したウォンを放置してきた。
ウォンは円に対して5割以上も安くなり、
サムスンなど韓国企業大手は
国際市場で日本のライバル企業を圧倒、苦境に追い込んでいる。
おまけに為替相場に連動して韓国株は上がり、日本株が下落する。
韓国の弱みは逃げ足の速い外国資金に依存していることだ。
ユーロ危機が悪化するたびに、
昨秋から欧州系金融機関が
韓国などから短期資金を引き揚げるようになった。
ウォン崩落を避けるためには大幅な利上げしかないが、
韓国は
日本のおかげで安心して低金利、ウォン安政策を続けられる。
何しろ韓国の対外短期債務総額は1360億ドルに上るが、
その半額以上をスワップによって難なく日本から調達できる。
韓国にとってよいとこずくめ、
日本にとってはマイナスどころか、自壊装置だ。
野田政権は事ここにいたってようやく、
スワップ協定を延長するかどうかは「白紙」と言い出したが、
外交上の不快感表明
のレベルで済ますべきではない。
この際、韓国に対し、
円に対するウォン安政策の是正を求め、
受け入れないなら延長しない冷徹さが欠かせない。
それは、
自国にとっての不利益を解消し、利益を増強するという、
世界では当たり前の
通貨政策に粛々と回帰する嚆矢(こうし)となるはずだ。
【夜郎自大】(やろうじだい)
(http://www.sanabo.com/words/archives/1999/11/post_425.html)
自分の力量をわきまえず、仲間うちで威張ること。
知識も力もないのに尊大にふるまうことのたとえ。
中国共産党が
外資の監視強化か
「党支部」「党系労組」設置促す
警戒感広がる
2012.08.28
(http://sankei.jp.msn.com/world/news/120828/chn12082820230010-n1.htm)
中国共産党が
外資系企業に対して、企業内に党支部や党の影響下にある労組を設置するよう
働きかけ始めた。
法的な義務はないが、自発的に発足させるよう圧力をかけているものとみられる。
日系企業の間では
「党の末端組織を通じた企業の監視が目的ではないか」
と警戒する声が上がっている。
共産党機関紙の人民日報系の週刊誌、中国経済週刊はこのほど、
「外資系企業が党支部を続々と設立する時代に突入」
との記事を掲載した。
従来も外資と中国資本の合弁では、中国側が党支部を置くケースがあった。
だが、
設置する必要のない外資の単独出資企業でも、
このところ党支部が広がり始めている。
同誌によると、
中仏関係の悪化で一時は不買運動や抗議デモに見舞われた
仏小売り大手のカルフールが
6月、流通小売業の外資として初めて党支部を北京に設立。
フィンランドの通信機器大手ノキアや、
英大手銀行のスタンダード・チャータード銀行も、
グループ内に党支部を設けたという。
日系の独資(100%出資)大手ではまだ党支部の設置は明らかになっていないが、
日系企業幹部は
「カルフールには
党側が抗議デモ発生を公権力を使って抑えることを約束し、
党支部設置を求めたようだ」
とみている。(なるほど、ヤクザの“みかじめ料”とかいう仕組みですな^^;)
沖縄県の尖閣諸島をめぐる日中関係の悪化で、
立場の弱い日系企業が
次のターゲットになる懸念もある。
また、共産党の下部組織の「中華全国総工会」の指導で、
労組に相当する「工会」を置くことも推奨されている。
北京市の場合、
今年1月から工会のない外資企業からも、
従業員給与総額の2%の納付を
「工会設立準備金」の名目で義務づけた。(これがヤクザの“上納金”ってやつね?)
工会は労使交渉のみならず党組織の末端としての機能もあり、
今後は義務化される可能性がある。
共産党側は
外資企業内の党支部や党系労組を、従業員の団結の象徴と位置づけるなどして、
最高指導部のトップ交代人事が決まる今秋の党大会前後に
党勢の地盤固めを進めることを狙っている。
(日本の民主党もこの手で政権を得ましたね。怒
公私の会社の労働組合。教職員の労働組合。えとせとら)
同時に経済情報収集の最前線にすることも可能だ。
日系企業幹部は
「共産党から支部や工会の設置を要請されれば、
拒絶する理由を探すのは難しい」
として頭をかかえている。(頭を抱えてるヒマがあったら、そんな国から出ろ―!!)
試験航行を終え、中国遼寧省大連に帰港した
初の空母「ワリャク」(共同) (2012.08.02)
仏大統領、日本を重視
前政権の対中偏重を修正
2012.08.28
(http://sankei.jp.msn.com/world/news/120828/erp12082814530004-n1.htm)
(共同)
フランスのオランド大統領は27日の演説で、
サルコジ前政権時代に希薄になったとされる対日関係について
「修正していきたい」
と述べ、前政権より日本を重視していく方針を示した。
オランド氏は
「日本は世界3位の経済大国でありながら、
ここ数年はそれに値する関心を払われていなかった」
と話した。
フランスは、失業率が10%を超えるなど経済が低迷しており、
日本との経済関係強化で
自国経済のてこ入れも図りたい意向とみられる。
一方、中国との関係については重要だとしつつ、
「(政治的に)敏感な問題も率直に取り上げる」
「貿易の不均衡が課題」
など対決色の強い発言が目立った。
フランスの対日外交は、知日派のシラク大統領時代に活発化。
しかしサルコジ前大統領は在任中、2回しか訪日せず、
5回以上訪れた中国と大きな開きがあった。
フランス・オランド大統領 (AP)
メルケル独首相
今年2月に続き訪中
2012.08.30
(http://sankei.jp.msn.com/world/news/120830/chn12083021200005-n1.htm)
ドイツのメルケル首相は30日、
北京の人民大会堂で
中国の胡錦濤国家主席と会談し、
両国の戦略パートナー関係をさらに進化させていくことを確認した。
30日午前には、温家宝首相とも会談し、経済協力の強化でも合意した。
同首相は今年2月に訪中したばかり。
欧州債務危機が続く中、
世界第2の経済大国の存在感が高まっていることをうかがわせる。
共同記者会見の後、握手する
中国の温家宝首相(右)とドイツのメルケル首相
=30日、北京の人民大会堂(共同)
モスクワモーターショー
世界メーカーがロシア戦略強化
2012.08.30
(http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120830/biz12083021100029-n1.htm)
ロシアで開かれている「モスクワ・モーターショー」には、
日本の自動車大手8社すべてが出展し、
世界の主要自動車メーカー100社が参加する。
ロシア市場は
ドイツに次ぐ欧州第2位の規模に拡大、
欧州信用不安の影響も少ない。
世界メーカーが、
欧州で残された成長市場のロシアを舞台に
生産や販売強化に乗り出し、
ロシア重視を鮮明にしている。(平尾孝)
◇
モスクワ・モーターショーは29日に開幕し、
マツダが世界戦略車に位置づける中型セダン「マツダ6(日本名アテンザ)」、
三菱自動車がSUV(スポーツ用多目的車)「アウトランダー」を
世界で初めて公開した。
ロシア市場を重視している表れといえる。
マツダの山内孝会長兼社長は
「ロシア市場は成長が著しく、事業拡大の大きな部分を占める」
と、戦略市場であることを強調した。
米ゼネラル・モーターズ(GM)も「シボレーコバルト」を初公開し、
シェア拡大に意欲を示す。
2011年のロシアの新車販売は266万台で、前年比で4割も伸びた。
今年1~6月も、
欧州主要18カ国の乗用車販売が前年同期比2%減ったのに対し、
ロシアは14%増で好調を維持する。
今年は通年で300万台、
15年には400万台で欧州最大の市場になると見込まれる。
そこで、
世界各社は、
小型、中型乗用車に加え、
ロシアの道路事情に合ったSUV増産や、
新型車投入を急いでいる。
中でも日産自動車は
ルノーと共同で、ロシア最大の自動車メーカー、アフトバスを傘下に収め、
一気に事業を拡大する。
既存のサンクトペテルブルク工場を増強し、
SUV販売を強化する一方、
アフトバスの主力工場で新型小型車「アルメーラ」を生産する。
33%のグループの市場シェアを40%まで拡大させる計画だ。
トヨタ自動車、三菱自動車、GMなども、既存工場を大幅に増強する。
韓国・現代自動車も昨年、サンクトペテルブルクに新工場を稼働させたほか、
独フォルクスワーゲン(VW)がエンジン工場建設を発表するなど、
世界の大手が相次いでロシア市場に挑む。
トヨタ、マツダは今秋以降、極東・ウラジオストクでSUVの生産を始める。
ロシアは富裕層も多く、輸入高級車販売が好調で、
モスクワ・モーターショーには
独メルセデス・ベンツ、BMWや英ロールス・ロイスも出展している。
ロシアで開かれているモスクワ・モーターショーには
100社以上が出展。
各社ともロシア市場に熱視線を送る
=29日、ロシア・モスクワ(ロイター)
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(1566) どこに向かうか? 「お人好し」外交(>_<) 「お人好し」経済(>_<)
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